内容説明
「記憶層には、消滅した星の記憶の全てが記されている」―人間に戦争を止めさせたいと、記憶層を探し求める者。絶対神の黙示をふりかざし、死せる魂の記憶を消す者。遠い惑星の「亡霊」たちの声に従い、鳥海翔と3人の仲間たちは、失われた「記憶層」を求めて、東北・象潟の海へ。霊界で繰り広げられる、死者と生者の戦闘の行方は!?人間界と霊界・正気と狂気が交差する一気読み必須なSFスペクタクル巨編!
著者等紹介
近藤樹里[コンドウジュリ]
1985年東京に生まれる。00年芝学園芝中学校卒業。03年芝学園芝高等学校卒業。07年3月法政大学情報科学部・情報科学科卒業。同年4月会社入社
近藤孝義[コンドウタカヨシ]
1949年愛知に生まれる。1967年鎌倉学園鎌倉高等学校卒業。貿易会社に長年勤務。家族一緒のシンガポール駐在、多くの国へ出張(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マリリン
10
「他人を傷つける行為は自分をも傷つけ、逆に…」という言葉が印象深い。穏やかな言葉や表現ははわずかしかなく読んでいて圧迫感を感じ、読み終える事が出来るのかと思ったが上巻の終わりに近い部分は良かった。ラノベ的な要素が入ったSFなのだろうか。下巻を読むかは未定。2017/12/14
ハル
2
男女4人の若者たちがテロを企てる1人の若者を阻止すべく立ち上がるのですが、その旅仕立てのストーリー展開には固唾を呑んでのスリリングさがあり、またジャズのような流れの心地良さもあって中断が出来なくなるほど、とにかくおもしろいです。また、「神に対抗し霊界が立つ」といった設定での霊界についても、これまでにない精彩且つ大胆な描かれ方で、ナシーム・ハラメイン氏に観られるような最先端の宇宙論から宮澤賢治に遡り得る作者の見識の広さに加え、霊的な不思議な力がこの作品を影で支えているかのようで、興味をそそられました。
ピトラトラトピ
1
(日本文藝家協会作家西谷史さん2018年感想引用)2週間かけて読んだが、大傑作だった。1990年代、アカシックレコードをはじめとして、人間の体外に、知識や記憶を蓄積する層があるという前提で多くの作品が書かれた。私も書いた。しかし、これほど現実世界と、その裏側の世界をリアルに、対等に書き記したドラマはなかったと思う。近藤さんは、63歳でこの小説を書かれ、これが処女作だという。普通ではあり得ない、カットバックを多用した一人称の書き方が、ピタッと作品にはまっている。日本の文芸界の深さを思い知らされた7月だった。2018/07/31
マスコット
1
この本を読んで感銘したのは、霊魂と科学、宇宙を一体とした作者の世界観です。自分の持つ第六感を最大限研ぎ澄まさないと理解は不可能な内容でした。様々な霊魂とそれが持つ記憶層、それを常に発信されていることにおのずと振り返らずに生きている人の多さを実感するとともに、そこに焦点を当てた作者の素晴らしい才能を称えたいと心から思います。この作品は人は生まれて死んで逝くという時間のサイクルの中で、今一度、己の存在意義というものを認識していかねばならないと思い起こさせてくれます2018/04/06
暁
1
人生の節々で訪れる重要な出来事を告げ知らせるサインは、生前の霊界において、既に決定されている。死ねない悪魔に出会ったのは丁度1年ほど前だが、そこから、著者との不思議な交流が始まった。 死ねない悪魔の表紙が、おそらく私の人生における数あるサインのうちの一つであった。読む人によって違うかもしれないが、この本はただのフィクションではない。ある種のメッセージ性が込められている。私はそう直感した。 実際、著者によるとこの本の執筆経緯には未だ明かされていない重要な真実が隠されている。 2018/03/17