出版社内容情報
生理学者,歴史家である著者(1818‐1896)が,当時の学界に異常な反響を呼び起した講演論文.前者はわれわれの自然認識には限界があり,物質の究極の本質が不可知なること,意識は物質的条件から誘導も説明もされ得ないことを論証し,後者はそれに対する論難者への応酬から始め,自然認識の途上に横たわる超えがたい7つの謎をあげた.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
8
旧字体。1872、80年初出。講演録。歴史家にして生理学者(5頁)。人間がどう物質や世界を認識し、自分の立ち位置を確認できるか。深い哲学的洞察。前者の講演では、自然認識について解説される。ラプラスの魔というのは興味深い(34頁)。これは吾々自身の能力、無能力の限界(54頁)。星学的知識(52頁~)は、現代人には欠けているかもしれない。7つの困難のうち、3つめの生命の最初の発生は関心を引く。最近のニュースでは太陽が異常を来しているとのこと。宇宙がどうなっていくのか、そして地球への影響を心配する今日この頃。2013/05/17
くらげかも
5
「且は」(かつは)という言葉は初めて見た。「批判と論難にこたえるため、且は哲學的文獻を」(p.10)——この本は少し寝かせておく。2024/07/12
さくら
1
意識っていうのが哲学の問題であると同時に科学の問題でもあること。面白かったし訳も読みやすかった。この分野はまりそう。2013/05/13