内容説明
アカシアが美しい中国・大連。終戦後あえてこの地にとどまり中国人の男性と結婚し激動の時代を生き抜いた残留日本人女性がいた。やがて訪れた日中友好の流れの中、彼女は病をおして日本語教師になり、日中の架け橋としてかけがえのない存在となるが、それを支えたのは家族との深い愛情だった。表題作ほか、震災・原発事故の傷がさめやらぬ日本で、高校生二人が中国との往還を経てたくましく成長する様がまぶしい「つなぎ手」、死を前にして己の生の意味を問う武士の姿が印象的な「家路」を収録。生へのいとおしさと人との絆の大切さが心に沁みる感動の小説集。
著者等紹介
田中佐二郎[タナカサジロウ]
熊本大学法文学部国語国文学科卒。派遣日本語教師として中国・大連外国語学院に勤務(1989~1991)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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