内容説明
14年間で1000人を看取ってきた39歳の若手緩和ケア医が語る、末期がん患者が最期まで自分らしく過ごす在宅医療とは―患者と一緒に考え、支え、寄り添い続けた「治らない病気の専門家」が、末期がん患者を支える方法を解説。
目次
序章 末期がんと宣告された患者さんへ
命のカルテ1 末期がんに侵されて毎日が輝いた女性
命のカルテ2 余命2か月を乗り越え、娘の成人式を見届けた母
命のカルテ3 闘病生活に奪われた青春を取り戻した青年
命のカルテ4 がんではなく老衰で逝った「奇跡の人」
命のカルテ5 抗がん剤治療を選び最期まで闘った18歳女性
命のカルテ6 寝たきりから回復し歩くのを楽しみにしながら大往生した男性
命のカルテ7 病魔との闘いのストレスを乗り越えた父
命のカルテ8 家族とのクリスマスパーティーの最中、笑顔で旅立った父
著者等紹介
石賀丈士[イシガタケシ]
医療法人SIRIUS理事長、いしが在宅ケアクリニック院長。1975年4月27日、大阪府大東市生まれ。緩和ケア医。2001年三重大学医学部卒業後、三重大学附属病院、山田赤十字病院に勤務。2009年7月、三重県四日市市に、緩和ケアを中心とした在宅医療専門の「いしが在宅ケアクリニック」を開設。現在は常勤医師6名体制で常時300名以上の患者への訪問診療を実施。年間250例近い在宅での看取りを行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ichi
23
【図書館本】在宅緩和ケア医からの視点での看取りケア・緩和ケアについてのノンフィクション。コラムとして在宅医療にかかる医療費について、介護保険についての詳細、最期に近づく細かな兆候について、各がんの症状や経過についてわかりやすく、細かく説明されておりとても参考となりました。2015/08/28
たいぱぱ
11
父が御世話になった在宅医療の先生の本。父が御世話になるまで、あまりこういう形の医療があることを知らなかった。末期ガンの患者を自宅にて看取る家族にとって本当に心強い存在でした。今後もっともっとこういった在宅医療が増えていくと良いと思います。2015/05/31
yamakujira
5
多くの患者を看取った在宅医が、末期癌患者の看取りの実例を挙げながら、在宅医療のノウハウをわかりやすく教えてくれる。61歳、43歳、35歳、95歳、18歳、77歳、40歳、47歳、8章の実例は総じて若いねぇ。まだ人生これからの女子高生が抗癌剤治療で最後まで苦しむのは切ないなぁ。幼い子供を遺して逝く親もどれほど無念なことだろう。最期におだやかな時間を過ごすためには抗癌剤治療のやめどき大事なのかなぁ。ただ、著者がまだ若い医師だからか、失礼ながら文章力か、全体的に浅薄に感じられるのが残念だった。 (★★★☆☆)2023/01/26
Humbaba
5
自宅で最期の時を迎える。それは非常に幸福なことと言える。在宅でケアする以上、病院と全く同じように取り扱うことはできない。だからこそ信頼関係をしっかりと築いておく必要がある。病院と対処が違っていたとしても、確固とした信頼関係があればそこで騒ぎになることもなくなる。2015/07/15
y sena
0
在宅医療を少しでも理解できるかもしれないと思い、読みました。 自分が、介護する側される側の当事者となる覚悟はまだできていない。この本を読んだことで、その時が来ても、読む前より落ち着いて対応できる可能性は高まったと思います。 人間は最後のときに向かって、枯れていくのが自然だと教えてもらいました。2022/04/11