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内容説明
可愛いのになぜ勝てない!?隣家に住む幼なじみの同級生が朝起こしにくるシチュエーションは、果たして理想なのか―。恋愛小説の歴史を追いながらラブコメにおける幼なじみの位置づけを分析し、日本の文化史・恋愛史を読み解く。
目次
幼なじみのことなんかぜんぜん好きじゃないんだからねっ!!―またはこれは言ってみりゃ「単なる序章」
起源論オーバーラン!―またはこれは言ってみりゃ「前近代から近代までの幼なじみの話」
ラブコメの弾丸は撃ちぬけない―またはこれは言ってみりゃ「近代以降に描かれた幼なじみの話」
物語にラブコメを求めるのは間違っているだろうか―またはこれは言ってみりゃ「漫画に描かれる幼なじみの話」
ククク、私の幼なじみを見抜くとは、アナタも「瞳」の持ち主のようね(訳:この章では幼なじみがゲームにおいて選択肢化されていく過程を考えます)。
幼なじみのいうことを聞きなさい!―またはこれは言ってみりゃ「ライトノベルとゲームと松智洋の話」
幼なじみとは違う一日―またはこれは言ってみりゃ「上京をめぐる物語」
幼なじみ一〇〇人できるかな その一―またはこれは言ってみりゃ「教室内における空気の話」
幼なじみ一〇〇人できるかな その二―またはこれは言ってみりゃ「教室社会と幼なじみの話」
この素晴らしい幼なじみに祝福を!―またはこれは言ってみりゃ「地元と幼なじみの話」〔ほか〕
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サイバーパンツ
14
最初の方は近代~現代までの幼なじみイメージを辿っているが、後半はスクールカースト、ツーリズム、郊外、ジェンダーなど雑多なテーマを社会学的な切り口で分析しており、幼なじみをダシにしたテン年代文化論という感じだった。展開されている議論に特に目新しさはないものの、学術エッセイだと思えば、まだあまり批評対象にはなっていない最近のコンテンツも多く取り上げられているので、そこそこ面白かった。あまり期待値を上げずにゆるく読む本。2018/01/12
kenitirokikuti
9
著者は愛媛県出身、早稲田の院に進む(史学/日本史)。2006年から日本デジタルゲーム学会 編集幹事、09年からコンテンツ文化史学会 編集幹事。専門は瀬戸内海の海運交流史みたいなとこで、どういう経緯でコンテンツ寄りなことやるようになったのか謎い▲本書は「学術エッセイ」なので、まぁその通りエッセイである。いまやってるソシャゲはスクストと自己紹介あり、だいたいそのようなタイプ(ほんとはSF・ファンタジー、ミステリが趣味)。2018/04/15
tuppo
5
このような近代以降の核家族的価値観を破壊し親密圏を思いっきり拡大しているような人間関係は果たして理想なのであろうか。家族でなければ入ることのないプライベートスペースに躊躇なく干渉してくる存在がよいのであろうか。空間だけでなく時間をもコントロールしようとするのがよいのであろうか。根本的に目覚まし時計で起きられない人間に何を求めているのか。感情に起因する議論は置いておいてもこのようなテンプレは歴史的にみて連続性があるものなのだろうか。幼馴染の語義的にはこのような細部は定義されていない。2018/02/27
代理
3
タイトル詐欺。古今の幼馴染作品を網羅したものでもないし、一つの作品を深く分析したものでも無い。幼馴染について読みたいなら全く当てにならない。もちろんラブコメ恋愛文化史にもなっていない。2019/07/10
アイロニカ
2
ド直球なタイトルから衝動買いした一冊。オタク向けのいわゆる学術論文風エッセイである。僕も学生時代はこんな感じに騙し騙し卒論を書いたものだ。「幼なじみ」というキャラクターの在り方を軸にしつつ、スクールカーストや異世界・ジェンダー・擬人化など創作物における認識の変遷について著者の気の向くままに書かれたような内容である。学術書も含めて参考文献が都度紹介されているので興味を持ったコンテンツや分野に手を広げるのも良いだろう。2019/01/12