内容説明
お遍路する前に読みたい本!我々の祖先がどのような死生観をもっていたのかを知ることにより、自分を見つめ直し、今をどう「生きる」かを考えてみませんか?
目次
1章 昔はもっと死が身近だった
2章 極楽と地獄はいつ生まれたのか
3章 極楽への旅
4章 生きている者のための葬送儀礼
5章 死者を弔う墓・墓石・墓地のはなし
6章 死を見送る人
7章 死は誰のものか
著者等紹介
野村朋弘[ノムラトモヒロ]
1975年北海道生まれ。國學院大學大学院で日本史学を専攻。京都造形芸術大学准教授。工業高校に進学。上京し郵便局員として仕事をしつつ、大学で日本中世史を専攻。大学院進学にあわせて公務員を辞め、2012年より専任講師。2015年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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田中峰和
3
人類が死の概念を理解したのは、3万5千年前。この頃死体処理が始まった。やがて死に対する恐怖や不安が生まれ、その救済のため宗教が誕生した。身分の高い者は塚に祀られ、低い者は野ざらしの風葬。老婆が若い女の死体から毛髪を抜く羅生門の場面は日常だったのだろう。かつて身近であった死は時代が下るに従い、葬送儀礼の変遷とともに変化する。死者の呪いを鎮めるためより残った者の癒しが中心となる。明治政府は神仏分離令により、仏葬から神葬祭に改めさせようとしたが、民衆の強い反発で断念。遺骨をゆうパックで受け付ける寺の出現に驚く。2016/10/02
cocolate
0
遺されたものが集ってホシイと思えば、お墓的なものは欲しいかなあ。2016/08/05
kincyan
0
第6章は、現役の若い僧侶へのインタビューだが赤裸々だ。臨済宗と曹洞宗の方で、もう死んだら一巻の終わり、という概念をお持ちだった。葬式仏教と揶揄されながらも、死んだ人を見送り、生きている人(遺族)のために儀式をして、できれば心のケアもするということらしい。こないだ亡くなった富山の和尚さんの奥様は、佛教系大学に行きながら心を整理し、戻った後は、やはり寂しさに苦しむ人に寄り添いたいとおっしゃっていた。2018/09/19