内容説明
罪を犯した真犯人は私ではない。自分の記憶で作られた自我が私であるからだ。犯罪と記憶の関係をあぶり出す、本格的医療サスペンス。
著者等紹介
原田厚[ハラダアツシ]
1953年5月8日、東京都出身。芝学園高等学校、日本医科大学大学院卒。医学博士。米国セントルイス、ワシントン大学心臓外科。榊原記念病院、海老名総合病院附属東病院・循環器センターを経て現在、海老名ハートクリニック院長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えみ
61
他人の中に自分の存在を認めなければならない状況。果してこんな現実が我が身に起こったら冷静でいられるだろうか。人類は医学を発展させて、次々と不可能だと思われた病気や怪我を治してきた。その方法の一つに移植という手段がある。眼球や心臓・肝臓・腎臓などの臓器移植。そして…その移植は記憶にまで及ぶこととなった。それも脳外科医から心臓外科医への本人未承諾での緊急移植。最大の人命救助か?研究者としての好奇心から行った人体実験か?これはホラーだ。本人からしたらホラーとしか思えない。己の命か尊厳か。他人の自分…恐怖である。2023/09/21