内容説明
歴史が突きつける人類への課題。第二次世界大戦でアメリカが日本に使用した原爆。その原爆が果たした役割とは何だったのか。公文書等の精査と学説の検証を通して、この大きな問いに挑んだ1冊。待望の日本語版が登場。
目次
1 フランクリン・ルーズベルト、マンハッタン計画、原爆の開発
2 ハリー・トルーマン、ヘンリー・スティムソン、原爆とは何か
3 ジェームズ・F.バーンズ、原爆、太平洋戦争
4 ポツダム会談、トリニティ核実験、原爆外交
5 広島、日本人、ソビエト
6 日本の降伏
7 必要だったが、正しかったのか?
8 バーンズ、ソビエト、アメリカの核兵器独占
9 原爆と冷戦の発端
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ワッキー提督
3
原爆投下は日本の降伏を目的とし、その必要性があったという「正統主義」的な立場から、原爆投下の目的を対ソ牽制とし、日本の降伏のためには必要がなかったとする「修正主義」を批判しつつ、「原爆の使用を決定する上で重要な要因は何だったのか」を分析する一冊。日本人の視点からは受け入れがたい議論ではあるが、原爆投下を「肯定」する立場がどのように組み立てられているかを知るのに、記述がコンパクトに纏まっていることもあり、非常に読みやすい一冊であると感じた。2025/01/05
nabe
0
学術論文的な翻訳はとても読みにくかった。書籍名に対する著者の答えは想像通り。後半に何度か記される「日本軍の残虐行為」という書き方からは、戦勝国の正義と人種差別意識が根底にはあるように感じた。2025/08/17