内容説明
堕落した貴族社会で、人間の愚かさ、滑稽さを描いた「風刺文学」として『源氏物語』を捉えると―。現代を生きる私たちにも通じる、隠されたテーマを見出した画期的評論。人物、重要キーワードを50音別に解説。
目次
明石一族の栄華
明石の入道の滑稽
朝顔の花のさかり
朝の露
雨夜の品定め
いさりせし君
一夫多妻制
浮舟
うそ
「うそ」と「うそ」の交差点〔ほか〕
著者等紹介
田中宗孝[タナカムネタカ]
1941年、奈良県生まれ。64年、東京大学法学部を卒業。国家公務員・地方公務員を経て、99年、日本大学法学部教授、2011年10月、退職
田中睦子[タナカムツコ]
1943年、熊本県生まれ。66年、共立女子大学家政学部を卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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maekoo
2
30年に渡り源氏物語を解読し「嘘」をテーマに源氏物語を読み解いた著作が多数ある著者の人物やキーワードから分析した面白い著作です。 源氏物語は直接的な表現でなく読者の想像を掻き立てる表現が至る所に点在しています。 例えば、桐壺帝は藤壺と光の密通を知っていたか否か?、女三宮は柏木や光に対してどんな想いを持っていたか?、明石の野分の時なぜ罪だらけなのに自分には罪が無いとぬけぬけと思い、周りの従者もそう思っているのか?、紫の上が自身が藤壺のゆかり(形代)である事を知ってからの光の紫の上に対する無神経さは何故か?2021/06/28
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