内容説明
写真家の宗像は、偶然訪れたロンドンの画廊で、一枚の肖像画に心を奪われる。絵画の名は、夭折した謎多き天才画家ピエトロ・フェラーラの「緋色を背景にする女の肖像」。フェラーラの足跡を追い求めてたどり着いたポルトガルの地で、宗像は美術界を揺るがす秘密に迫っていた。一方、時を同じくして、ロンドンの高級住宅街の一角で大物美術評論家の遺体が発見されていた―。美術界と建築界に燻るスキャンダル。その深部と絵の謎が交錯していく。アートに翻弄された人々の光と影を描き出す、壮大なミステリードラマ。
著者等紹介
阿佐見昭彦[アサミアキヒコ]
1945年埼玉県浦和市(現さいたま市)に生まれる。1968年早稲田大学建築学科卒業。現在、ASAMI Designを設立するなどして、建築・写真・彫刻・エッセイ等の広範な芸術文化活動に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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paluko
7
出版は2020年ですが遡ること二十年余の1999年、ユーロ導入直前のヨーロッパ(イギリス、ポルトガル、スイス…)を舞台とした美術版ダ・ヴィンチ・コードの趣。料理・酒・建築・美術品・ファッションetc.すべてを心得たオトナたちが節度を守って繰り広げるおとぎ話のようでもあり。ファドを耳にしたことからふと思い立ってポルトガルに出かけるとか、絵の謎を追求するためにあちこち尋ね回って初対面の人に会いに行くとか、物凄く羨ましく感じられる。金があっても今は「無理!」なことがいろいろあるので…。2022/02/06
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