- ホーム
- > 和書
- > 児童
- > 読み物
- > 短編集・アンソロジー
内容説明
ぼくの名前は「ソラ」。弟の名前は「シド」。ぼくたちは毎日川で遊んだ。新型爆弾が落ちるまでは…。広島を舞台に、少年と河童の心の交流を描いた表題作ほか、戦後“ある少女”を通して広島の原爆や戦争のことを知っていく三兄妹の姿を描いた物語など、今、子どもたちに伝えたい「ヒロシマ」4作品。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
水零
9
本書は、戦中戦後のヒロシマを少年と河童、3兄弟と幽霊を通し描いた、子供から見たヒロシマ短編集。読了後、戦争ものにしては、戦中の描写が弱いと感じた。児童書だからか。しかし、それに比べ子供達の日常描写にはリアルさがある。その違和感はあとがきで解決する。作者は被爆2世であった。実際に戦争経験はないが、より近くで戦争、原爆の悲しみを聞き、時にその爪痕を見て育った世代。戦争を語り継がれた世代。もう時期、体験者の話を聞けない世代がくる。作者だけではない。語り継がれた誰しもが次の世代に語り継ぐ責任があるように感じた。2018/08/01