内容説明
1945年、終戦直後の遼陽。あの日の決断は、正しかったのだろうか。約4500人もの命を救ったにもかかわらず、彼が選んだのは「自死」だった。実話をもとに描かれる、個の意思を持つことが許されなかった第二次世界大戦直後に自らの考えを貫き行動した、一人の青年将校の物語。
目次
昭和二十年八月・満州(中国東北部)遼陽・日本軍火工廠・職員
昭和二十年八月二十五日・遼陽火工廠・柳尚雄・集団自決の回避
昭和十九年六月・満州奉天・野瀬健三
昭和二十年八月二十六日・満人部落・早朝・柳尚雄
番外・日本軍の傀儡政権・満州国成立
そして今、平成二十七年夏・太平洋戦争・柳道彦・回顧
昭和二十年五月・太平洋戦争(日中戦争後半)・野瀬健三
昭和二十年八月二十七日・遼陽火工廠・「柳中尉」から「柳尚雄」個人へ
昭和二十年八月・満州の戦場どこか・野瀬健三
昭和二十年八月二十八日朝八時・火工廠外・柳尚雄
昭和二十年八月二十八日朝九時・火工廠外・柳尚雄
昭和二十年八月二十八日昼・火工廠外・東京陵・柳尚雄
昭和二十一年七月・日本・野瀬健三・帰還
著者等紹介
柳道彦[ヤナギミチヒコ]
満州・奉天出身。建築学科卒業後、西ドイツに渡り建築学博士号を取得。1978年から2008年までドイツに滞在し、現在は静岡県で建築設計事務所を営む。柳尚雄は母方の叔父にあたる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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