内容説明
村の郵便配達員・洋介は、都会から来た久城に定期的に絵葉書を届けている。冷たい無表情の麗人・久城に洋介は惹かれるが、彼が葉書の差出人・小野寺を愛していることに気づいていた。ある日、小野寺から別れの便りが届く。悩んだ末、洋介はそれを届けず、いつもと変わらぬ絵葉書を偽造するが…?薄幸な青年と実直な郵便配達員の優しい物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きょん
21
郵便物配達の件は私もちょっとどうかと思うけど、受が幸せになればそれで良いかと納得してしまった(^^;)片目猫のスポットが可愛らしくて、彼が落ち着ける家庭を持てたことも良かった。2016/12/23
めめめ
16
期待の新人さんの二作目。田舎の実直な郵便配達員×移住してきたいわくありげな美人。攻目線。偽造したハガキのやり取りとか受の過去とか、オーソドックスだけど優しい持ち味で楽しめた。巻末の受目線のショートは今の季節にぴったり。2016/12/16
華緯
15
面白かった。久城と小野寺の関係とか久城の考え方とか、所々作り込み過ぎに感じるところはあったけど、全体的に優しいお話。そして、そこまで考える必要は無いのかもしれないけど、この後この狭い世界で、二人の仲を続けるためにどうするんだろう…と、考えてしまった。2016/12/18
anko
12
悠月が抱える孤独という心のなかの冷たい凍った部分を洋介が包み込むような優しさで溶かしたんでしょうね。年下攻めですが、洋介はワンコだけど悠月の心の機微や気持ちを汲んで慈しもうとしていると思います。そんな年下の優しい彼氏にことばでは素直になれないけど態度には溢れてしまっている悠月も可愛い人です。不遇な生い立ちの悠月が優しい洋介と子猫のスポットと心穏やかに陽だまりの様に暖かな生活を送れます様に。2016/12/20
鴇色のソラ
6
心が温かくなる本だった。小さな村の郵便配達人と都会からやってきた画家。心が真っ直ぐな年下の攻めは無謀な所もあるけれどとにかく一途で心根の良い青年。受けの悲しむ顔が見たくなくて攻めが犯してしまう小さな罪。それが誰にも打ち明けられる事のないまま1つずつ増えていくのと攻めの優しさに少しずつ受けの心がほどけていく過程がリンクして胸がじんわりします。リアルに考えると問題山積みだと思うけれど小さなこの村で2人がずっと幸せでいられたら良いな。2016/12/21