内容説明
平凡な美大生だった円城凪斗は、父から継ぐ血の運命により突然岐柳組次期組長に据えられてしまう。それまでと一変した生活に戸惑いながら、恋人で補佐の角能堯秋に支えられ、重圧に耐えていた凪斗。そんな中、代目襲名を控えた凪斗が敵対組織に襲撃され、それを庇った角能が負傷する。凪斗は彼が自分の為に命を賭けることを恐れるようになるが…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
合縁奇縁
36
「蛇淫の血」の続きです。平凡な大学生ながら不可抗力によって岐柳組次期組長に据えられた円城凪斗。平穏無事にいくはずもない。かわいそうになるくらい、凪斗は辛い目にあわされ、それでも自分が愛し欲しいと思った角能のために成長していくお話でした。苦悩して痛い目にあいながらも脱皮=禊して岐柳凪斗と円城凪斗が一つになった凪斗は今までとは別人でかっこよかったです。凪斗が内なる双頭の蛇との融合するシーンが流石です。2018/06/28
なみ
15
シリーズ3作目。「蛇淫の血」の続編。描かれてる世界柄容赦ない…(沙野さんだし)でもタイトルに入ってるように【恋】がベースにあってそれぞれがお互いを思ってそれがうまく届かなかったりしてそういうところと容赦ないところが混ざり合って最後の書き下ろしのSSでは涙がでてきた。特に祖母の話をしてるところはもう…(南瓜好きの角能さんかわいいな)2020/03/24
愛希
10
文庫化。ヤクザもの。組長補佐×元美大生の組長。『蛇淫の血』の続き。とにかく受けの周りや受け自信に酷いことがあって可哀想だったけど、それを乗り越えなければ跡目を継げないのかなと。受けが二重人格のようになるのが好き。攻めとのより拉致られて無理矢理されてる方が萌えてしまった。 ★★★☆☆2016/12/22
さとみん
8
このシリーズは大好きなので、レーベルは違っても文庫で揃うのが嬉しい。好きな順番は蜘蛛>蜥蜴>蛇だけど、この話は破壊から再生への容赦ない過程が気に入っている。「禊=身削ぎ」という父の甘さのなさがいい。2016/11/22
みもざ
5
久しぶりの奈良さん。畳一枚にしたって今ならああは描かないだろうなぁ。風景がちがって見える。情念が足りないなぁ。このシリーズでは久隅の話が一番好きかな。2016/11/19