内容説明
その朝、就寝したばかりの良時を突然、妹の夫・密が訪れた。海外赴任から帰国すれば自宅はなく、妻・十和子に離婚を言い渡されたという。折しも独り身の良時は密のペースに呑まれ、快適な同居生活へ。幼い頃から共に身体が弱く療養の日々を同志のように過ごしてきた密と十和子、ふたりの絆を誰より知る良時。ふしぎな均衡で繁がり合う彼らは…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
扉のこちら側
102
初読。やるせない大人達。長い年月をたどる物語が好きなので実に楽しんで読めた。八重さんの件はちょっとあれだけど控えめな人柄がわかるし、十和子の考えもしっかりしているので女性達も嫌味なかった。2012/03/15
マッコリ
38
「is in you」スピンオフ。一束の不倫相手だった佐伯の話。読み始めてすぐにこれは最初からじっくり読み返さなきゃいけないんじゃないかしら、と逡巡しつつ先を知りたい誘惑に勝てないままノンストップで読んでしまいました…。前作の一束も初読みの時は低体温で掴みづらい子だなーと思ってたけどこじらせたオッサンたちに比べるとカワイイもんだwまだ消化不良なとこもあるけどスルメ本になりそう。もう一回is in youから読み返したい。【D】2014/10/27
ちるる
36
これまでに読んだ一穂さんの本の中で自分的にベストワン!佐伯さんは前作の時から好きでしたがそれだけが理由じゃない。BLだから男同士の恋愛がメインになる訳なんですが、それと同じくらいの比重で兄妹愛と同志愛が描かれていて、どれが一番とかじゃなく全部が同じ重さで存在し語られるところが心鷲掴みでした!長い時間をかけて出来上がった秘密と嘘、ずっと守りたかった三人の関係、離れていても同じものを見れなくても変わらなかった想い。互いに対する呼び名が変わってもそこにある愛情に変わりはないところがもう、もうっ…!2012/04/29
天使を愛するアカウント
36
新聞社整理部でバツイチ・良時×新聞社外交担当で良時の妹の旦那・密。去年の個人年間ランキングベスト4位の『is in you』のスピン。『is in you』の方が好きだけどそちらで存在感のあった佐伯さんがこういう人だったのかと保管された作品。めんどくさくて一途なおじさんだったんですねw過去と現在を行き来しながら3人の行く末をおとなしく見守りましたが、最後の最後SS「良時良時」の2回呼び話に超ニヤけて思わず1ページ目からざーっと読み返したw一穂さんは本当に、些細なエピソード、小物づかいが上手くてじわっとくる2012/03/26
扉のこちら側
34
再読。2015年735冊。is in youから再読してきて、密の不器用さが可愛く思えてしまう。2015/07/03