内容説明
瀬ノ尾聡明と桐嶋東吾との出会いは高校時代。ヤクザの息子ということで荒れていた聡明は、自分を特別視しない東吾を意識するようになる。実質一緒にいたのは数ヵ月だったが、東吾への想いが恋だと自覚した聡明。その想いを秘め、今は東吾とはたまに会う程度で優しい恋人もいる。しかし、東吾への想いは薄れず、さらに強くなっていき…。
著者等紹介
高岡ミズミ[タカオカミズミ]
9月26日生まれ。山口県出身静岡県在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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合縁奇縁
50
「天使の啼く夜」の続編。天使シリーズはこちらのほうが好きです。1冊目CP受け(田宮)のお兄ちゃん登場!攻め受け交互視点でお話が展開していきます。ヤクザの組長の息子だけど繊細な聡明。カタギだけどヤクザ社会に近い所で生きている東吾。高校生で知り合ってから30歳の現在まで、好きだという気持ちを隠して東吾の友人を続ける聡明の片想いが切なすぎる。そして何もかもを捨てて、手に手を取って駆け落ちした二人の行動がよかった。駆け落ちした二人のその後は不明というラスト2018/11/16
メイ&まー
24
天使シリーズその2。こちらは桐嶋のアニキ編。断然こちらのカップルの方がいいです。好きです。やくざの家に生まれたものの馴染めず、幼いころからその肩に重荷と諦めと絶望を載せている瀬ノ尾。それを一見冷淡にも見える態度で見守る桐嶋。瀬ノ尾の絶望が深くて苦しくなるけれど、それ以上に桐嶋の葛藤や秘められた想いが切なくて萌える!ラストはまだまだ困難が待ち受けていそうな雰囲気も漂わせつつ・・・。あーちょっとでも幸せそうな二人を見て安心したい。2011/01/11
那義乱丸
23
腐友からの頂き本。すごく良かった!前作未読なのでわからない部分があるのだけど物語に引き込まれてページを繰る手が止まらず一気読み。ヤクザの息子というのはありがちだけど、家が自分の重荷なのではなく自分が家のお荷物になってると自覚している瀬ノ尾の存在意義すら見いだせない深い孤独が辛い。そんな彼にとっての唯一の儚い希望も、桐嶋への想いを隠し「友人」という関係の上でしか夢見ることしかできないのがあまりに切なくて…。ラスト間際でやっと二人の心が繋がるシーンには思わずホロリ。奈良さんの絵が物語をさらに深く魅せてくれる。2013/03/11
きょん
17
瀬ノ尾さんの流されっぷりに初めの方はもうちょっと頑張れって思ってたんですが、父からの病気呼ばわりに酷過ぎる縁談、允也君の件まで至っては、誰か何とかしてあげて~と祈るように読んでおりました。そして、溜めにためた15年分の両片想いの成就は激しく切なかったなあ。ラストはこれしかなかったのかもしれないけど、幸せでいる様子が少しでも見たかったなあ。2013/08/28
えんび@灯れ松明の火(文さんに賛同)
17
気を取り直して、『天使シリーズ』2。前作で凄く気になっていた田宮のお兄ちゃん、桐嶋の話。イイ、俄然イイ。高校時代からの桐嶋への想いを胸に秘め、友人としての居場所をキープしてきた瀬ノ尾。切ない願いを口に出せば、守ってきたものをなくしてしまう・・・瀬ノ尾の脆く儚い夢と、最後まで友人としてのスタンスをとろうとした桐嶋の関係がたまらない。余韻のある終わり方が好きだ。読み終わってから表紙を見ると感慨もひとしお。 2011/06/13