内容説明
罪の果てには断絶の痛みが待っていた。歪んだ観念から金貸しの老婆を殺したラスコーリニコフは、底知れない孤独と疎外感に襲われる。自ら犯罪を正当化していたにもかかわらず、なぜ苦しまなければならなかったのか。ドストエフスキーの名作『罪と罰』に新たな解釈を試みた意欲作。
目次
第一章 問題の所在
第二章 様々な解釈
第三章 仮説
第四章 断ち割る者
第五章 糸杉と銅の十字架
第六章 ギリシャの神々
第七章 ソーニャの直観
第八章 アリョーシャの絶望と再生
第九章 ラスコーリニコフと神
第十章 リザヴェータはなぜ殺されたのか?
第十一章 エピローグ
終章 終わらない「問い」