出版社内容情報
虎治と光は元同級生。夫婦になり子供を持ち家族になった。言葉と体と時間を重ね、時にぶつかりながら同じ方向を見て進んでいると、それが夫婦だと思っていた、けれど。子育てへの意識の違い、自分の体への戸惑い、老い、子離れ。こんなはずじゃなかった――私の〝かんむり?は一体どこにあるのか。どうしようもなく別々の体を生きる、夫婦の物語。
【目次】
内容説明
虎治と光は元同級生。夫婦になり子供を持ち家族になった。言葉と体と時間を重ね、時にぶつかりながら同じ方向を見て進んでいると、それが夫婦だと思っていた、けれど。子育てへの意識の違い、自分の体への戸惑い、老い、子離れ。こんなはずじゃなかった―私の“かんむり”は一体どこにあるのか。どうしようもなく別々の体を生きる、夫婦の物語。
著者等紹介
彩瀬まる[アヤセマル]
1986年生まれ。2010年「花に眩む」で第九回「女による女のためのR‐18文学賞読者賞」を受賞しデビュー。『くちなし』『新しい星』で直木賞候補となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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piro
34
元同級生の虎次と結婚し、家庭を築いた光の物語。相変わらず彩瀬さんの言葉は心の無防備なところをチリチリと攻めてくる。男女の性差、そこにある固定観念、そして自分・パートナーの体への複雑な感情。最後までスッキリとした思いは得られないところに、もの凄い現実感をぶち込まれた気分。そして虎次の姿に自分を見たような、何とも居心地が悪い気分になりました。それでも光と虎次の関係はある意味とても健全だと思うし、羨ましさも感じる。彼らの元から巣立って行った息子・新の物語も読んでみたい。2025/11/28
よっち
27
血を分けた子を持ち、同じ墓に入る元は夫婦2人。かつては愛と身体を交わし、多くの言葉を重ねたのに、少しずつ変わっていく家族の物語。遠距離でいったん別れて、大学時代に再会して結婚した光と虎治。心地よかった距離感が、子供が生まれて虎治と考えが噛み合わなくなる一方、真摯に向き合ってきた子供ともいつの間にか距離ができて、家族のために自分の可能性を諦めたこともあったのに、何かあるたびに関係性の変化も受け入れて、どこか納得いかない部分も感じながら、それでも折り合いをつけて生きてきた人生には充実感を感じさせてくれました。2025/11/07
イシカミハサミ
15
とある夫婦の始まりから終わりまでを通して、 それぞれが、それぞれの身体に、それぞれの心を持って生まれたことを物語する。 イエにも社会にも個人に対して要求があって、 個人が個人として欲求を突き詰めるのは難しい。 作品として、途中まではすごくよかったのだけれど、 終盤、依怙地になっていた夫が突然気が変わるシーンがある。 現実はそんなものかもしれないけれど、 そこはフィクションらしく、一縷の望みを持てる虚構を用意してほしかった。 そのあとの展開が、どうしようもなくご都合主義に映ってしまった。2026/02/07
ローズナチュレ
3
新聞の書評で、1人の女性の代から70代が描かれているとあったので、興味を持って選んだが、ちょっと期待とは違っていたし、10代から40代くらいまで行きつ戻りつして分かりにくいところもあった。体に関する描写が苦手なのもあり、途中読むのをやめようかと思ったが、子どもが生まれてからの話は引き込まれた。どこにでもいる普通の女性の話で、本の帯に解説者が「『これは私だ』と感じた」とあるように、私も感じた。2026/02/07
花火丸
3
どうしようもなく別々の体を生きる2人。相性の悪いまま進んだ夫婦、ではないと思う。どんな組み合わせでも多かれ少なかれ互いのあまりの違いに茫然としてしまう瞬間はあって、それらをきっかけに別の道を進むことも、なんとか進むことを優先することもあるだろうと思う。「どちらかが我慢すればいいをやめる」、そのうえで一緒にいるというところになんですぐに辿り着けないんだと思ってしまうけど、自分を守るために積み重ねてきた曲げられないものが各々あるよなあ。 どんな人生なら幸せだったと感じながら終えられるだろう。2025/11/09




