出版社内容情報
虎治と光は元同級生。夫婦になり子供を持ち家族になった。言葉と体と時間を重ね、時にぶつかりながら同じ方向を見て進んでいると、それが夫婦だと思っていた、けれど。子育てへの意識の違い、自分の体への戸惑い、老い、子離れ。こんなはずじゃなかった――私の〝かんむり?は一体どこにあるのか。どうしようもなく別々の体を生きる、夫婦の物語。
【目次】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
7
血を分けた子を持ち、同じ墓に入る元は夫婦2人。かつては愛と身体を交わし、多くの言葉を重ねたのに、少しずつ変わっていく家族の物語。遠距離でいったん別れて、大学時代に再会して結婚した光と虎治。心地よかった距離感が、子供が生まれて虎治と考えが噛み合わなくなる一方、真摯に向き合ってきた子供ともいつの間にか距離ができて、家族のために自分の可能性を諦めたこともあったのに、何かあるたびに関係性の変化も受け入れて、どこか納得いかない部分も感じながら、それでも折り合いをつけて生きてきた人生には充実感を感じさせてくれました。2025/11/07




