出版社内容情報
付き合っていた彼女に振られた社会人一年生、どこにも居場所がないいじめられっ子、いつも謝ってばかりの頼りない上司……。でも、いま見えていることだけが世界の全てじゃない。知らないうちに誰かを助けていたり、誰かに助けられたり。残業中のオフィスで、事故現場で、フェス会場で、奇跡は起きる。優しさと驚きに満ちた現代版おとぎ話。
【目次】
内容説明
付き合っていた彼女に振られた社会人一年生、どこにも居場所がないいじめられっ子、いつも謝ってばかりの頼りない上司…。でも、いま見えていることだけが世界の全てじゃない。知らないうちに誰かを助けていたり、誰かに助けられたり。残業中のオフィスで、事故現場で、フェス会場で、奇跡は起きる。優しさと驚きに満ちた現代版おとぎ話。
著者等紹介
伊坂幸太郎[イサカコウタロウ]
1971年千葉県生まれ。2000年『オーデュボンの祈り』で、第五回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビュー。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で第二十五回吉川英治文学新人賞、「死神の精度」で第五十七回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で第五回本屋大賞と第二十一回山本周五郎賞、20年『逆ソクラテス』で第三十三回柴田錬三郎賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ふう
65
伊坂氏のやさしさと東北愛があふれる作品でした。自分のすぐそばに、目には見えないマイクロの世界があるかもというおもしろさ。コロボックルの超未来版?でも、どちらの世界で暮らす人々も、悪意よりは善意の方が幸せに近いことを知っていて、誰かの幸せのために行動することが好きなところがすてきです。机の上にカップを置きっぱなしで帰宅しては行けませんね。人の思いは咄嗟のときの行動に表れるものだと、あらためて思い知らされました。良くも悪くも。2025/09/11
里愛乍
54
伊坂さんの単行本は、読み終えていい感じに自分の中で消化された頃に文庫化する。早過ぎず遅すぎず、そろそろ読み返したいな…って時なので躊躇なく買いました。本書はオハラブレイクにて配布されていた冊子を一冊にまとめたもの。音楽フェスに短編小説で参加するなんて如何にもらしいなと思いつつ、自分もほぼ毎年参加してました。だから記憶が一気に単行本を飛び越えて、気分はすっかりあの時の猪苗代湖。ペテカンさんのお芝居やTOMOVSKYさんのライブを思い出す。あの夏が再び蘇りました。2025/09/03
あや
47
福島県・猪苗代湖畔で行われる音楽とアートのフェスティバル、第一回「オハラ☆ブレイク」のために書き下ろされた短編がそもそもの出発点であったという作品。 最初は単行本の方で読み、この度文庫本が発売されたのでこちらで再読。そうそう、こんな話だったなと思い出しながら読了。数時間で一気に読み終えたからか、初めて読んだ時よりも物語を楽しめた。 2025/08/10
kei302
46
「猪苗代湖でまた会う話」が追加され文庫化。元いじめられっ子のスパイとか、謝罪上手な上司とか、ガリバーみたいな設定とか、色々楽しめた。随所に登場する歌詞、音楽が想像できなけど、現実的・哲学的・教訓的で笑える。3つ揃えば奇跡が起きる! 表紙のカップの中にはG!2025/08/30
F
40
構成の仕方が今までと異なる気もしましたが、伊坂さんらしいと言えばらしい構成でもあり、、あとがきを読んで納得。どう展開していくのかとワクワクしながら読みました。過去の伊坂作品の要素も取り入れつつ進んでいき、読んでいて飽きません。普通の会社員とエージェントの少年、違う世界が少しずつ交わっていく技術が流石伊坂さん。7年かけて作られている作品なのに伏線が次々と回収されていくのも流石ですし、気持ち良かったです。各エピソードがどれもスッキリした終わりで良かったです。門倉課長が好き。見知らぬ誰かの幸せを願う、素敵です。2025/08/15