出版社内容情報
口がまわらず、誰にも言葉が届かない。歩いた後には尿を引きずった跡が残るため、まいまいつぶろと呼ばれ、蔑まれた第九代将軍・徳川家重。常に側に控えるのは、ただ一人、彼の言葉を解する何の後ろ盾もない小姓・兵庫だった。「もう一度生まれても、私はこの身体でよい。そなたに会えるのならば」――。二人の絆を描く、落涙必至の傑作歴史小説。
内容説明
口がまわらず、誰にも言葉が届かない。歩いた後には尿を引きずった跡が残るため、まいまいつぶろと呼ばれ、蔑まれた第九代将軍・徳川家重。常に側に控えるのは、ただ一人、彼の言葉を解する何の後ろ盾もない小姓・兵庫だった。「もう一度生まれても、私はこの身体でよい。そなたに会えるのならば」―。二人の絆を描く、落涙必至の傑作歴史小説。第170回直木賞候補作。第13回本屋が選ぶ時代小説大賞受賞。第12回日本歴史時代作家協会賞作品賞受賞。
著者等紹介
村木嵐[ムラキラン]
1967年京都市生まれ。会社勤務等を経て、司馬遼太郎氏の夫人である福田みどり氏の個人秘書を十九年間務める。2010年『マルガリータ』で第十七回松本清張賞を受賞し、作家デビュー。2023年、本作『まいまいつぶろ』で第十三回本屋が選ぶ時代小説大賞、第十二回日本歴史時代作家協会賞作品賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mapion
371
九代将軍徳川家重は障害を持ち、話す言葉は不明瞭で聞き取れる人がいなかった。田沼意次を抜擢したりと、登用に長けた人と評されることもある。唯一家重の言葉を聞き取れた大岡忠光(町奉行大岡忠相の遠縁)は、傍に侍り家重の口として代わりに人に伝えた。躰も言葉も不自由で、人に侮られていることも知っていた家重の辛さはいかほどか。忠光は家重の人柄を知り、滅私奉公で仕え続ける。二人は互いを離れがたい友と思うようになったのではないか。忠光が役を辞してのち亡くなり、家重はその翌年に死去。私の感想は余計もの、かなりよかったとだけ 2026/04/07
KAZOO
104
この作家さんは初めてですが、この本は単行本で気になっていたのですが最近文庫なったので手に取ってみました。徳川吉宗の長男がコミュニケーションに障害があるものの、それを理解する人物が出てきます。この二人を中心として将軍になるまでをうまく周りの人物を交えて読ませてくれます。私はこの人物を田沼意次だとばかり思っていたのですが違っていたのですね。ほろりとさせてくれます。2025/06/19
エドワード
52
徳川吉宗の長男・徳川家重は言語不明瞭かつ襁褓を常用、九代将軍の座が危ぶまれていた。徳川家康が定めた長幼の序の家訓の手前、幕閣は揺れていた。そこへ、家重の言葉を解する小姓の大岡兵庫(忠光)が現れる。家重と兵庫、正室・比宮の間の魂の交流が描かれ、家重の澄んだ瞳、誠実な心が胸を打つ。家重の長男・家治の聡明さを鑑み、吉宗は家重を九代将軍とする。だが家重の言葉を大岡忠光のみが伝えることは問題を孕む。実質的な側用人である。家重が将軍職を全うし家治が将軍に就いた時、田沼意次が老中となる。「べらぼう」の時代の始まりだ。2025/07/15
けやき
52
生まれながらに言語に障害がある9代徳川将軍家重とそれを唯一理解できた大岡忠光の主従の物語。心温まるお話でした。2025/06/24
もえ
43
2年前に図書館司書をしていた頃、本書は利用者さんに大人気だった。今回文庫版が出たので読んでみたが、やはり面白い。出産時の事故で言語や排尿、四肢障害で生まれた 九代将軍徳川家重と、唯一家重の言葉を理解できた大岡忠光の友情と絆の物語に忽ち惹き込まれる。現在放映中の大河ドラマ「べらぼう」前夜の話でもあり、十代将軍徳川家治や若き日の田沼意次、松平武元の登場にも心踊る。「将軍職は、友がおらねば務まらぬ」家重の父である八代将軍吉宗の言葉が胸を打つ。何も知らずに嫁いだ比宮が家重と次第に心を通わせていく様が好きだった。2025/10/03




