出版社内容情報
大手芸能事務所「鳳プロ」のマネージャーながら雑用ばかりだった桐絵は、博多のライブハウスで歌う少女・ミチルに惚れこみ、上京させる。鳳プロでは専務の娘・真由のデビューが決まっており、ミチルには芽はないはずだったが、彼女の情熱と歌声は周囲を動かしてゆく。妨害、挫折、出生の秘密、スキャンダル……その果てに少女たちが見るものは――。
内容説明
大手芸能事務所「鳳プロ」のマネージャーながら雑用ばかりだった桐絵は、博多のライブハウスで歌う少女・ミチルに惚れこみ、上京させる。鳳プロでは専務の娘・真由のデビューが決まっており、ミチルには芽はないはずだったが、彼女の情熱と歌声は周囲を動かしてゆく。妨害、挫折、出生の秘密、スキャンダル…その果てに少女たちが見るものは―。
著者等紹介
村山由佳[ムラヤマユカ]
1964年東京都生まれ。93年『天使の卵 エンジェルス・エッグ』で第六回小説すばる新人賞を受賞。2003年『星々の舟』で第百二十九回直木賞、09年『ダブル・ファンタジー』で第二十二回柴田錬三郎賞ほか、21年『風よ あらしよ』で第五十五回吉川英治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さてさて
135
『この子を、一人前の歌手に育てるのだ』。博多の『ライブハウス』で偶然に見出したひとりの少女を前に、そんな強い決意を抱く主人公の桐絵。この作品では、真由とミチルという二人の傑出した原石を『スター』へと押し上げるべく孤軍奮闘する『マネージャー』の桐絵視点で物語が描かれていました。芸能界の舞台裏をとても興味深く描くこの作品。そんな中に”お仕事小説”として、『マネージャー』の存在を力強く描くこの作品。信じられないほどの圧倒的な読後感の良さ。村山由佳さんの物語作りの上手さを改めて実感させられる素晴らしい作品でした。2025/01/15
よっち
26
大手芸能プロ「鳳プロ」のマネージャーとして働き、雑用ばかりでくさっていた桐絵。彼女が博多のライブハウスで歌う16歳の少女ミチルを見出す昭和音楽界のスター誕生物語。に惚れ込み上京させたものの、専務の14歳の娘・真由を大型新人としてデビューさせる計画が進んでいた鳳プロの状況。しかしミチルのまっすぐな情熱と声は周囲を動かして、一転コンビでデビューを目指すことになったものの、反りが合わず喧嘩ばかりの二人が、妨害、挫折、出生の秘密、スキャンダルと波乱続きの激動の展開を乗り越えて輝いていく物語はとても面白かったです。2025/01/09
桜もち 太郎
17
夢、希望、未来、情熱の全てが詰まった一冊。ページの厚みが気にならない。福岡のライブハウスでスカウトされたミチルと芸能プロ専務の娘真由、少女二人の成長の物語でもあるし、携わる大人たちの情熱の物語でもある。本気の情熱は凝り固まった我を溶かしていく。二人の出生の秘密は最後まで彼女達には知らされなかったが、それはそれで良い。ティンカーベルとしての活動、スキャンダル、ソロ活動、困難を乗り越える事で得た絆。プロとしての情熱。自身を振り返り再び情熱を持って仕事に取り組むことができるのか。自分が試されたような作品だった。2025/03/23
寛大
13
本を手に取って裏表紙を読んだ瞬間、これは僕の好きな本だと分かった。そして実際にその通りだった。なんとなく展開はわかる。分かるのだけれど、それを越えてくるものがある。歌を歌いたい。その純粋な思いが胸を高鳴らせてくれる。2025/04/26
のあ
13
真由とミチルのその後が観たい。 この2人の未来はこれから。 2人の魂から輝いて発せられる歌声が聴こえてくるようだった。2025/03/25