出版社内容情報
町奉行の娘に恋慕する貧しい百姓の五郎兵衛は美声を見込まれ、浄るりの語り手として天下一を目指すことに。しかし「声はいいが芸がない」と不評で、全く客が入らない。血反吐をはきながら稽古に身をやつし、ついに道頓堀に竹本座のやぐらを揚げるのだが……。人生のすべてを芸事に捧げ、〈人形浄瑠璃〉に革命を起こした太夫の波乱万丈な一代記!
内容説明
町奉行の娘に恋慕する貧しい百姓の五郎兵衛は美声を見込まれ、浄るりの語り手として天下一を目指すことに。しかし「声はいいが芸がない」と不評で、全く客が入らない。血反吐をはきながら稽古に身をやつし、ついに道頓堀に竹本座のやぐらを揚げるのだが…。人生のすべてを芸事に捧げ、“人形浄瑠璃”に革命を起こした太夫の波乱万丈な一代記!
著者等紹介
岡本貴也[オカモトタカヤ]
神戸市生まれ。早稲田大学大学院修士課程修了(理学修士)。2000年、糸井重里賞受賞作でドラマ脚本家デビュー。演劇を中心に、映画・テレビドラマの脚本、小説も多数手がけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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えりまき
16
2024(196)人形浄瑠璃文楽・竹本義太夫さんの生涯。岡本さん、素敵な小説をありがとうございます!貧しい百姓の家の三男に産まれた五郎兵衛が、様々な稽古を重ね、太夫を目指す姿に感動です。「要するに、どの役も自分そのもの、おのれのすべてを使いきって演じひんと、本物の情は出えへんのだす」。興業主の庄兵衛。爪のない指で三味線を弾く権右衛門。生涯五郎兵衛をサポートしたご近所の料亭の娘・お松。「あんたの芸が偽物やったら、こんなに人はついて来うへん。客も入りまへん。義太夫節は本物や。」。人形遣いの本を読みたい。 2024/07/17