出版社内容情報
家を出るお父さんが教えてくれたアンキモの味。引っ越す友達と分け合ったグミ。仕事を辞めて久しぶりに作るキュウリのサラダ。恋人に別れを告げられ、目の前で冷めていくビスマルクピザ。子どもと食べる初めてのフライドポテト。恋、仕事、親との別れ――人生の忘れられない場面には、必ず食べものの記憶があった。珠玉のショートストーリー+短歌集。
著者等紹介
加藤千恵[カトウチエ]
1983年、北海道生まれ。立教大学文学部日本文学科卒業。短歌集『ハッピーアイスクリーム』で高校生歌人としてデビューした後、2009年『ハニービターハニー』で小説家としてもデビュー。以降、小説、詩、エッセイなど様々な分野で活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Karl Heintz Schneider
42
人生の忘れられない場面には、必ず食べ物の記憶があった。食べ物とその時の想いを綴った短編集。一話が5ページほどなので、スイスイ読めちゃう。「いももち しずばあのこと」学校で同級生から無視されている小学三年生の愛ちゃん。友達のいない彼女がいつも行くのは近所のおばあちゃんの家。静おばあちゃん、通称「しずばあ」。しずばあは学校のことを何も聞かない、ここではそんなに話さない。しずばあが作ってくれた、いももちを一緒に食べて、一緒にテレビを観て、夕方になったら家に帰る。それだけの関係なんだけど、それがとても心地よくて。2024/05/17
み
25
さくさくと♪唐揚げのお話が意外でした…。お仕事でモヤモヤしてるので、カスタードドーナツのお話を読み返しちゃった(^^)2024/09/14
*+:。.もも.。:+*
18
誰かと食べた食事のショートストーリー、読み終わったあとに待ち構えてる短歌がズドンと来る。一つ一つは短いお話なのに破壊力が半端ない。一番好きなのは「納豆オムレツ」の章。「ちぎられるような悲しみだけど 君に会えてよかった 絶対よかった」2024/06/28
たぬ
17
☆3.5 実家にて「おっうまそうな表紙♪」と発見した初読み作家さん。30の食べ物ストーリーはどれもごくナチュラルで、具体的な味が口の中に広がるようでした。個人的には短歌はなくてもいいかな。ってこの方まずは歌人としてデビューしてるんだ。なんかごめん。2024/07/13
葵@晴読雨読
17
図書館本。食べ物にまつわる短編集+短歌集。話はとても短いのに、とてもストンと入ってくる。短歌もとても好きな作品が多かった。2024/06/16