出版社内容情報
敗戦後の混乱の中、金俊平は自らの蒲鉾工場を立ち上げ、大成功した。妾も作るが、半年間の闘病生活を強いられ、工場を閉鎖し、高利貸しに転身する。金俊平は容赦ない取り立てでさらに大金を得るが、それは絶頂にして、奈落への疾走の始まりだった ……。〝怪物?と呼ばれた男の業を描き、全選考委員の圧倒的な支持を得た第11回山本周五郎賞受賞作。
内容説明
敗戦後の混乱の中、金俊平は自らの蒲鉾工場を立ち上げ、大成功した。妾も作るが、半年間の闘病生活を強いられ、工場を閉鎖し、高利貸しに転身する。金俊平は容赦ない取り立てでさらに大金を得るが、それは絶頂にして、奈落への疾走の始まりだった…。“怪物”と呼ばれた男の業を描き、全選考委員の圧倒的な支持を得た第11回山本周五郎賞受賞作。
著者等紹介
梁石日[ヤンソギル]
1936年大阪府生まれ。本作『血と骨』で第十一回山本周五郎賞を受賞、映画化され絶賛を博す(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
92
下巻に入っても、金俊平の凶暴な生き方は続く。凄まじいばかりの暴力と自己中心的 生き方は 破壊的に周りの全てを壊していく。 金と酒と暴力に生きた金俊平の姿は 昭和の在日朝鮮人たちの底辺を描いたものなのだろうか?その影に生きた英姫などの儚い人生が心に残る、そんな印象の作品だった。 2024/03/02
たくじぃ
7
血と骨。上下巻、読了。ブックオフ。 ヤンソギルの死去ニュースを見て「今しかない」と再読した2冊。 蒲鉾工場の立ち上げが物語の前のほうにあったと記憶していたのですが、物語の後半でしたね。 暴力と欲望にまみれた主人公。戦争。疎開。空襲。強姦。暴動。 救いのない物語のヒロインはなんといっても英姫です。作者のお母さんがモデルらしいですね。 故人のご冥福をお祈りいたします。素晴らしい物語をありがとう。2024/09/26
大麦麦芽
5
無敵と思われた金俊平の体力も限りが見え始め、成漢の成長に不安を覚えるようになる。「血は母より受け継ぎ、骨は父より受け継ぐ」骨のほうが重要というような意味合いで解釈したが、英姫の能力が高すぎてとてもそのようには思えなかった。2024/05/01
a
4
壮絶な一生。 成漢は自分を責めてたけど、まあそうなるのも仕方ないと思うので気にしないで自分の人生を生きていってほしい。 情は人のためならず、とはこのことかな。 ピンチに陥ったときに助けてくれる人もいたかもしれないのに。2025/04/12
してるね
4
身長180センチ、体重100キロ。一匹狼として徒党を組まず、怪物と極道からも恐れられた金俊平の生涯。この豪放磊落な男の生き様がなぜこれほどまでに魅力的に映るのか、それについて考えさせられた。ちょっと思ったのは、空気を読めとか忖度とか何かと気を配る事が求められる今の世の中になんとなく違和感を持つ僕のような男にとってこういう男の存在はある意味救済なのかもしれないということ。奥さんの英姫さんの死に際でも一銭も出さなかった時には流石に、とは思ったけれど。でもこういう人いてもいいんじゃ?とは思った。2024/05/06
-
- 和書
- 新・原子炉お節介学入門