出版社内容情報
半年の任期で離島の診療所に派遣された、三一歳の外科医・雨野隆治。島ではあらゆる病気を診なければならず、自分の未熟さを思い知る。束の間の息抜きを楽しんだ夏祭りの夜に、駐在所の警官から電話が。それは竹藪で見つかった身元不明の死体を検死してほしいという依頼だった――。現役外科医が生と死の現場をリアルに描く、シリーズ第六弾。
内容説明
半年の任期で離島の診療所に派遣された、三一歳の外科医・雨野隆治。島ではあらゆる病気を診なければならず、自分の未熟さを思い知る。束の間の息抜きを楽しんだ夏祭りの夜に、駐在所の警官から電話が。それは竹藪で見つかった身元不明の死体を検死してほしいという依頼だった―。現役外科医が生と死の現場をリアルに描く、シリーズ第六弾。
著者等紹介
中山祐次郎[ナカヤマユウジロウ]
1980年神奈川県生まれ。鹿児島大学医学部卒。都立駒込病院大腸外科医、福島県広野町・高野病院院長等を経て、湘南東部総合病院外科勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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itica
82
外科医として着実にスキルを上げてきている雨野が、初めて離島に派遣される。あらゆる患者を先輩医師と二人だけで診なければならない。最先端の設備などあろうはずもない。無い無いづくしの中で雨野は病気や環境、そして自分とどう向き合って行くのか、興味は尽きない。ああ、でもやっぱりアメちゃんだ。どこに居ようとこの人はぶれることが無い。 2024/01/29
saga
67
結紮ミスという外科医にとってトラウマになりそうな事象を乗り越えた隆治に、今度は都立病院派遣の医師の代わりに僻地医療のオファー。半年という短期間の派遣が良いのかどうかは疑問が残るが……。医師の本分である全ての症状に対応することが求められる離島での医療。診療科目ごとに細分化された医師育成制度とは対極の医療がそこにあった。それでも外科のスキルは有効だった。隆治と、離島の看護師・志真との実らぬ恋も、この物語に色を添えているが、人工透析患者という状況は重過ぎる。2024/01/21
セシルの夕陽
58
【泣くな研修医シリーズ6】雨野隆治、外科医7年目。半年の任期で離島に行くことに。三宅島から船で1時間の神仙島(架空の島)へ。島で30年医師として暮らしている、瀬戸山先生。看護師の志真さんと秀子さん。物資も十分ではないし、手に負えない患者をヘリで都内に移動させるためにも3時間以上かかる。想像するだけでも不便な生活💦 私にはムリ😣 それでも、ここで生まれ育ってきた人たちは島は自分の一部なのだろう。 殺人事件が起こったり、隆治が恋をしたり❤️ 全ての科を診なければならない診療所で、成長した隆治の巻! 2024/07/15
けぴ
46
シリーズ第6作。今回は離島へ半年赴任する隆二。 東京では助かる命も助からないこともある。厳しい現実の中で一回り大きくなる。島の看護師の志真との出会いが本作の見せ所。志真に東京へ来ることを勧めるが…。シリーズの中で一番の推し作品! 2024/05/22
papapapapal
44
シリーズ第6弾。31歳になった医師7年目の外科医・雨野隆治が、半年の任期で島に渡り、離島医療を経験する。雨野の魅力はなんと言っても、スーパードクターでは無いところ。離島で診る婦人科系や小児科系に戸惑ったり、初めて触る眼科の医療機器やレントゲン機材にビビったり。急成長したかと思えば落ち込んで悩んで自信無くして。普通の青年が医師として徐々に成長する様子がとてもリアル。殺人事件のエピソードは突表紙が無いようにも感じたけど…もし離島で事件が起これば、当然その島の医師が関わることになるんだよね。これもリアルなのか。2024/02/20