出版社内容情報
榎土梵天、梵地、梵人は三つ子の三兄弟。自分たちが謎の能力「三秒」を持つことに気づき、貴金属泥棒を敢行。大金を手にした梵天は、ティラノサウルスの化石発掘の夢を抱き山を丸ごと購入した。だが、そこにライオンを連れた謎の女が現れたとき、彼らの運命は急転する。海を越え、はるか砂漠の地にて、三兄弟を待ち構える予測不能の超展開とは!?
内容説明
榎土梵天、梵地、梵人は三つ子の三兄弟。自分たちが謎の能力「三秒」を持つことに気づき、貴金属泥棒を敢行。大金を手にした梵天は、ティラノサウルスの化石発掘の夢を抱き山を丸ごと購入した。だが、そこにライオンを連れた謎の女が現れたとき、彼らの運命は急転する。海を越え、はるか砂漠の地にて、三兄弟を待ち構える予測不能の超展開とは!?
著者等紹介
万城目学[マキメマナブ]
1976年大阪府生まれ。京都大学法学部卒業。2006年にボイルドエッグズ新人賞を受賞した『鴨川ホルモー』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kei302
41
単行本『ヒトコブラクダ層ぜっと』改題して文庫化。この改題、万城目さんには迷いがあったようで、講演会質問コーナーで「ぜっと」の方がよかったと指摘された時の万城目さんの表情が印象的だったので興味が出て読んでみた。「ぜっと」上巻では不明。風太郎のラストみたいなパターンで終わったら嫌だなあと思いつつ下巻へ。2025/02/03
Shun
38
先日直木賞受賞作家となった万城目さんによる冒険小説。他の著作と同様タイトルが実に尖っていてとても楽しみだ。文庫版では一部改題されているが、上巻を終えたあたりではヒトコブラクダ層戦争の方が分かりやすいと思えた。これまでに読んだ著者作品の枠を大きく超えて本作はバリバリの冒険小説といった内容で、作品の魅力でもある不条理な設定も胸躍るストーリーテリングの前にさほど頭を悩ますことなくついていけます。恐竜の化石や幻のメソポタミア文明といった古代ロマン、そして何やらきな臭い連中との対決が示唆され後半の超展開に期待。2024/01/21
saga
36
ホルモー、しゅららぼんと同じくらい非現実的でファンタジーな小説。隕石の落下によって両親を亡くした三つ子が、それぞれに「3秒」の異能を発揮する。そこに青き衣の女が現れ、3兄弟は自衛隊への入営を余儀なくされ、運命の奔流に放り出される。次兄・梵地の憧れの地であるチグリス・ユーフラテス川のあるイラクで、女の目的が三兄弟によるヒトコブラクダ層発見だった……はずなのに、何故そこにいる?2025/05/15
RIN
17
これぞ(そんなに読んだこと無いけど)万城目ワールド。単行本のあらすじに『梵天・梵地・梵人の三つ子』というくだりを見た時から、文庫化したら絶対読もうと決めていた。何せ名前が良い。更に三つ子の兄弟というのが良い。それだけできっと面白いに違いないとワクワク出来る。キーワードは恐竜とメソポタミアと3秒。非日常が巧妙に常識をすり抜けて繋がり、謎の女が誘う謎は三兄弟の望みを餌にどんどん加速して行く。意味はあるのか、はたまたないのか。ヒトコブラクダ層に囲まれた不思議な砂漠。面白ければ良いじゃない?物語はそうでなければ。2024/01/26
ひでちん
15
今年11月文庫化。 梵天·梵地·梵人の三つ子の榎土三兄弟。 幼少から苦労して育ち、特に長男の梵天が弟2人の学費を支える為、高校進学すらせず働く。そんな兄弟に各々特殊な才能『三秒』があった。それに気付いた3人が強盗をし、その金を元手に古代恐竜の化石発掘をする奇想天外な展開。 泥棒絡みという事で「少し暗い話かな?」と懸念するも全くの杞憂で、苦労して(特に長兄)育つ三兄弟が各々の特殊能力を活かしつつ協力し、突然現れる謎のイラク人(?)女性に誘われるまま進む物語で、先が全く読めず面白い!!! 下巻へ行きます。2023/12/19