出版社内容情報
中学時代の同級生が自殺した。お別れの会のために帰郷した私は、七年振りに初恋の相手と再会する。昔と変わらぬ笑顔を向けてくれる彼だったが、私は不倫の恋を経験し、仕事も辞めてしまっていた。そんな私を彼が旅に誘い……。会社が嫌い、母親が嫌い、故郷が嫌い。こんな自分が一番嫌い。だから私は新しい自分に出会うため、旅に出ることにした。
内容説明
中学時代の同級生が自殺した。お別れの会のために帰郷した私は、七年振りに初恋の相手と再会する。昔と変わらぬ笑顔を向けてくれる彼だったが、私は不倫の恋を経験し、仕事も辞めてしまっていた。そんな私を彼が旅に誘い…。会社が嫌い、母親が嫌い、故郷が嫌い。こんな自分が一番嫌い。だから私は新しい自分に出会うため、旅に出ることにした。
著者等紹介
小川糸[オガワイト]
作家。デビュー作『食堂かたつむり』が、大ベストセラーとなる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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mana
98
心に重たいものを抱えた女性の話。友人の自殺、退職、元彼との再会からモンゴルに行く女性。虐待を受けながらも叔母に護られて必死に生きてきた女性。息子を亡くし、特殊なお店でセッションを始めた女性。どれも非日常的なストーリーだけど、共感できる部分も多く、言葉が一つ一つ沁みていく。必死に生にしがみつき、回復していく。人とのつながりってとても大切。どこかに再生の糸はある。そんな救いを求めて、私も生きていきたい。2025/11/10
えみ
44
背伸びをして少しだけいつもより高い位置で新鮮な空気を吸う。それだけで新しい自分に生まれ変わることができる。重くなった責任や幾つもの柵を振り切って、踏み出せない私、過去に囚われ続ける私、許せない私、に自由の翼を与える。その物語を読めば、どこまでも純白の翼をはばたかせて飛んでいける、そんな気にさせてくれる私のための物語。寄る辺ない3人の女性が葛藤の末に辿り着いた場所。選んだのは彼女達だが、道しるべはそこにいる誰か。意図しない優しさがこれほど心強く、琴線に触れるとは…。ありがとうを心から。私とさようならの後で。2025/06/06
Karl Heintz Schneider
40
中学時代の同級生の葬式に出席するために久々に故郷に帰った美咲。そこで偶然出会ったナルヤから突然自宅に誘われる。気楽に「いいよ。」と答えたのだがその故郷はモンゴルだった。最初は人や習慣に慣れずに戸惑うが自然に彼らのおおらかさを受け入れるように。日本にいた時に悩んでいたことがちっぽけなことだと思えるようになる。異国という全く違う環境に身を置くことにより過去のしがらみ、トラウマ、憎しみから決別し新しい自分に生まれ変わってゆく物語。「さようなら、私」というタイトルにはそんな想いが込められているのかもしれない。2024/01/30
ぽろん
33
再生の物語とでも、いうのでしようか。人生捨てたもんじゃないなあと思わせてくれる三編の短編集。2024/07/18
mayu
27
新装版なので、書かれたのは10年以上前だった。心に抱えた重く苦しい気持ちが開放へと向かう3つの短編集。同級生の死と退職、母親との苦い想い出と過去に負った深い傷、1話目も2話目も海外の地で旅先に触れる事で自分自身と向き合う話だったので、その流れなのかなと思っていた3話目の女性の立ち直り方が中々に独特で、小川さんもこういう話を書くんだなぁという印象だった。私なら考えられないし、旦那さん心広すぎだわ。と思った。三人三様に新たな明るい道に進んでほしい!これに尽きる一冊。2024/01/14




