出版社内容情報
本能寺で信長横死──。その一報を受け、茶頭の千宗易(利休)は動揺する。後継者は秀吉か勝家か、それとも家康か?だが冷静さを取り戻したその心には、誰になろうと戦乱の世を終わらせるべく操ってみせる、という強い決意が漲っていた。限られた空間で繰り広げられる緊迫の心理戦。利休と戦国武将たちとの熱き人間ドラマを描く本格歴史小説!
内容説明
本能寺で信長横死―。その一報を受け、茶頭の千宗易(利休)は動揺する。後継者は秀吉か勝家か、それとも家康か?だが冷静さを取り戻したその心には、誰になろうと戦乱の世を終わらせるべく操ってみせる、という強い決意が漲っていた。限られた空間で繰り広げられる緊迫の心理戦。利休と戦国武将たちとの熱き人間ドラマを描く本格歴史小説!
著者等紹介
伊東潤[イトウジュン]
1960年、神奈川県横浜市生まれ。早稲田大学卒業。『黒南風の海―加藤清正「文禄・慶長の役」異聞』(PHP研究所)で「第一回本屋が選ぶ時代小説大賞」を、『国を蹴った男』(講談社)で「第三十四回吉川英治文学新人賞」を、『巨鯨の海』(光文社)で「第四回山田風太郎賞」と「第一回高校生直木賞」を、『峠越え』(講談社)で「第二十回中山義秀文学賞」を、『義裂千秋 天狗党西へ』(新潮社)で「第二回歴史時代作家クラブ賞(作品賞)」を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みこ
22
伊藤潤氏による千利休の生涯を描いた作品。茶を利用して天下に静謐をもたらしたい秀吉と天下を利用して茶を広めたい利休の思惑は一見するとウィンウィンのようだが、その先には明確な破滅が見える。「伏線?なにそれ?」と言わんばかりに物語はストレートに突き進む。余談だが巻頭の登場人物紹介が少々ネタバレ含みなのが気になった。2022/07/11
tomo
13
杉や竹といった建材を使い、土壁に藁を適当に散らせ、天井は傾けてと…へい一丁。形式に堕しつつある「侘び」の概念。利休に己の「侘び」を探してください、と突きつけられた秀吉が見つけた「侘び」の境地とは。説明されれば納得するかもしれないけど、いきなりこれを見せられたら、腰を抜かすなぁ。世の静謐を求める利休、秀吉に時に諫言しながら目指す世界は作れるのか。※節目の1000冊❤️、読書メーター登録当時は、思いもしなかったのに。…年をとるわけです。2023/02/24
coldsurgeon
8
安土桃山時代の政治を陰で動かしていたかもしれない千利休の静かな戦いの物語である。織田信長の思い描いた国の在り方を実現するために、侘茶が利用されるが、利休は当初は巻き込まれただけなのかもしれない。しかし秀吉の時代となり、信長の思いを秀吉と利休が引き継いでいくが、二人はもう渦の中心にいたのだ。中心は一つしか必要なく、利休は疎まれていくのだろう。 2022/06/26
さこちゃん
6
歴史は変わらないけど、秀吉がいつブチ切れるかハラハラしながら下巻へ。2022/08/31
勝也成瀬
3
千利休と秀吉の話だが、千利休は割と今までいろんなところで書かれている人物像の範疇に入るかなと思った。これから秀吉との関係がギクシャクしていくのはわかっているが、それが下巻でどう描かれるのが楽しみ。千利休の息子の千紹安が印象に残った。2022/08/12
-
- 洋書
- QUINZE ANS