出版社内容情報
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内容説明
退屈な飲み会で出会った彼女に、一瞬で恋をした。下北沢のヴィレッジヴァンガードで待ち合わせた初デート。フジロックに対抗して旅をした7月の終わり。世界が彼女で満たされる一方、社会人になった僕は“こんなハズじゃなかった人生”に打ちのめされていく―。それでも、振り返れば全てが美しい。人生のマジックアワーを描いた、20代の青春譚。
著者等紹介
カツセマサヒコ[カツセマサヒコ]
1986年東京都生まれ。大学を卒業後、2009年より一般企業にて勤務。趣味で書いていたブログをきっかけに編集プロダクションに転職し、17年4月に独立。20年6月、本作『明け方の若者たち』で小説家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
120
タイトル通りな作品。明け方、そして夜明けを常にイメージさせてくれます。自分も20代ならきっともっともっとココロに響いたのかなと思います。作品全体を通して、ちょいちょい挟まれてくるあらゆるアーティストの楽曲が気になり、音楽を聴きながらゆったりと読むべき作品かもしれませんね。読む年代によってはきっと忘れられない作品になるかもしれません。とりあえず話題となっていた作品でしたが、話題になるだけのコトはあると感じました。映像化されたので、そちらのほうが逆に楽しみな気がします。サラッと読めるボリュームが良かったです。2022/05/03
Dora
22
三省堂の「本みくじ」で引き当てなかったら、間違いなく自分からは手に取っていないであろう本。そういう意味では良い出会いだったかもしれないけど、う〜〜ん… 20代前半の青臭い自分を思い出してみても、ちょっと共感できない主人公だったかな? フラれた彼女をいつまでもウジウジ想っているとか、入社した会社でやりたかった仕事に就けず「こんなはずじゃなかった…」とか、そういう所にイライラする自分は、やっぱり昭和のオジサンなんだろうな😅2022/05/13
くみこ
20
失ったものと手に入らなかったものは美しい。もう子供じゃないけど、大人でもない「マジックアワー」に出会ったものとなれば、なおのこと。初心な"僕"を気の毒だと思いながら、ささやかなプライドを捨てきれないまま溺れた恋なら、仕方のない結末ともいえます。そもそも二番手でいいと思えるのは恋なのでしょうか。自意識が強くて軟弱で優しい"僕"は、リアルです。ひたすら若くて痛い。映画も見たくなりました。2022/02/14
Kanonlicht
17
学生というぬるま湯から厳しい社会に放り出され、仕事も恋愛も、なんか自分が思っていたのと違う。こんな経験はきっと誰にでもあるのでは。主人公をはじめとする登場人物たちは若さからくる甘さが 鼻につくが、それこそが等身大の若者の姿なのかもしれない(それだけ自分が歳をとったということか!)。人生においてかけがえのない時期というのは、その時間を生きていた頃には、そのようには意識しないものだと思う。この物語に出てくる若者たちもまた、十年後二十年後にそのことに気付くのだろうか。2021/11/21
み☪︎
15
入院中に読む本を募ったらオススメされた1冊です。 読み終わった感想をどう言葉にしたらいいのか分からないです。面白かったとかよりもひたすら共感して、ただただ読み進めてました。 出てくる固有名詞が現実とリンクするので、よりリアルに感じてグサグサ刺さってきますᐟ( ˆᐤˆ )ᐠ 文章もとても綺麗少し感傷的です。 最後まで〝 僕 〟と〝 彼女 〟の名前が出てこないのも共感する理由な気がします。作者様はすごい😳 数年後、読み返した時にはまた違う気持ちになるんだろうなぁと感じつつ、大好きな1冊になりました❥2022/07/09