出版社内容情報
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内容説明
仙台、杜乃宮大学・法医学教室。解剖技官の梨木楓は、上司で准教授の今宮貴継とともに警察から届く死体を日夜、解剖する。彼らが直面するのは、沼の中の顔面破壊・手足切断の死体、温泉での不審死体、ひき逃げされ放置された女子高生など悲惨な人間の最期だ。事故か、殺人か。二人は細胞の一つ一つまで検分し、犯人さえ気づかぬ証拠にたどり着く。
著者等紹介
小松亜由美[コマツアユミ]
秋田県大仙市生まれ。東北大学医療技術短期大学部衛生技術学科を卒業し、臨床検査技師免許取得。現在、某大学医学部法医学教室にて解剖技官を務め、これまで多くの異状死体の解剖に携わる。横溝正史『獄門島』を皮切りに本格ミステリに傾倒。『誰そ彼の殺人』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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penguin-blue
42
法医学教室と言えばどうしても中山七里さんの「ヒポクラテス」シリーズのイメージがあり、どうしてもつい比較してしまう。最初この本を読み始めた頃はあちらと比べてキャラも舞台設定にも地味な印象だったのだが、読んでる内にどうも探偵役の師弟コンビのいかにも理系(イメージー笑)っぽいひょうひょうとした感じが妙に癖になる。作者本人が本物の臨床検査技師ということで実体験や生の知識が説得力を与えているのも大きい。続編出たらとりあえずは読むと思う(笑)2022/05/27
坂城 弥生
34
専門用語が多かった。2023/04/14
のんちゃん
30
仙台の杜乃宮大学法医学教室の解剖技官、梨木楓が同教室の准教授今宮貴継と共に異状死体の解剖あたり、その死の真相を見つけるミステリー。作者は主人公と同職。宮部みゆき先生絶賛の作品ということで読んでみた。まぁ、TVドラマの『科捜研の女』の様な話運びだが、読みやすく、作者はこの道の専門家なので細かい知識も興味深いものがあった。准教授とのコンビ関係がデコボコ気味なのもお約束の様で楽しく読めた。ミステリーとしても小さくだが一捻りあり、ただのお仕事ミステリーではない所も評価できる。続編が出るとの事、楽しみだ。2022/01/08
米太郎
29
・解剖の描写がかなり丁寧で、こんなに丁寧に死因探してくれるのねと思った。二人の会話が軽妙でよかった。2023/12/12
一華
24
著者デビュー作…現役解剖技官ということもあり、解剖シーンの描写はリアル。キャラ設定もちょっとありがちだが、魅力的でよかった。ただ、検死の時点で死因が想像できてしまい…ミステリとしては醍醐味に欠けるかなぁ〜帯の文面に期待しすぎたか…2022/01/14