内容説明
医者の泰山が、腹痛を訴える男とその幼い息子を連れて小烏神社を訪れる。薬を処方するも一向に回復しない為、助けを求めて来たのだ。だが、宮司の竜晴は「自分にできることはない」といつになくそっけない。大切な薬草の世話もそっちのけで治療を続ける泰山だったが、突然、父子が泊まっていた旅籠から姿を消す。この親子に隠された真実とは何なのか?
著者等紹介
篠綾子[シノアヤコ]
埼玉県生まれ。東京学芸大学卒。第四回健友館文学賞受賞作『春の夜の夢のごとく―新平家公達草紙』でデビュー。短篇「虚空の花」で第十二回九州さが大衆文学賞佳作受賞。主な著作に第一回日本歴史時代作家協会賞作品賞を受賞した『青山に在り』などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はつばあば
48
先ず、続きはあるのだろうか。大輔と花枝の父が営む旅籠の客が腹痛で泰山先生でも治らぬ病なら小烏神社へと。オアシが無くなれば嘘も有りかという嘘つき談義の末、一悟と大輔は未来への夢が広がる予感を。一方で重盛の魂の気を引く伊勢殿の鷹匠とアサマが何者かに操られていた。う~ん続きはあるのだろうが・・なるべく記憶喪失になる前に続きを読みたいです。宮司の竜晴が人間らしくなってくるのが嬉しい。泰山・大輔・花枝がいい仕事してくれるからでしょう。勿論付喪神のカラスと白蛇も。2021/10/02
ちゃいろ子
33
嘘の何がいけないのか。 どんな嘘なら許されて、どの嘘は許されないのか? 詐欺師の父親の片棒を担いて生きてきた少年と大輔の友情は、、 伊勢平氏の末裔が大切にしている鷹のアサマも実は付喪神であるとわかり、、 登場人物たちが増えて更に楽しく^^2024/06/02
Norico
8
付喪神仲間が…。鷹はかっこいい。竜晴と泰山の仲が悪くなっちゃうのかしら?と思ったけど、よかった。大輔はいい男になるな。花枝さんもすてき。2022/08/31
ゆうこ
7
『大法螺は誰も信じないから許される。小さな嘘はばれても笑って済まされるから問題ない。多分そう思ってるだよね。』『大法螺でもなくて小さな嘘でもなくて、中くらいの嘘が許されないってこと?そんなのおかしくないかな…』騙り集りをする親子とはいえ、子供の心はこんなに荒んでいる。子供は親の道具ではない。今回の話も一言主の活躍はありましたが、それも越える大輔と一悟の成長のお話でした。この本読み出したらやめられない…2023/04/17
ぺん
3
どの本を読んでも引っかかる癖を治さないと(^_^;)今回は、泰山の医者としての知識のなさ自信のなさと当時でも腹痛見るのにそこまで高額な医者が居たのか?と言う疑問。この地で長くある宿屋自体、泰山以外に腕の医師を知らないのか?この点が大きな疑問だけど他にも細かい点が多々あり。でも、全体的には読み物としては面白かった。2021/10/03
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