内容説明
ひとり静かに逝った老女は、愛した人を待ち続けた昭和の大スターだった(「初恋心中」)。運に見放され、母親を手にかけてしまった息子の心に残る母の言葉(「無器用な男」)。あの戦争で飛び立った青年が聴いた「最後の曲」に込められた想い(「ぴい」)。…謎めいたマスターが旨い酒と肴を出す飲み屋を舞台に繰り広げられる、不思議で切ない物語。
著者等紹介
さだまさし[サダマサシ]
1952年長崎市生まれ。シンガー・ソングライター。2001年、初小説『精霊流し』がベストセラーとなる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥
104
異論はあるかもしれないが、さださんの歌の魅力はメロディよりも歌詞にあると思う。だから彼の書く小説も実に味がある。下町情緒の残る葛飾四つ木の商店街の居酒屋「銀河食堂」を舞台にした短編集。寡黙だが博学で柔らかな笑顔のマスターとそこに集まる商店街の常連さん達が語る人情話。とんとーんとテンポの良い語り口はまるで寄席で落語を聞いているようだ。どれもホロリとするいい話。元落研のさださんらしい一冊。★★★★ 「全国おすすめのご当地小説」 https://bookmeter.com/communities/3381792020/12/24
カブ
36
久しぶりにさださんの本を手にとる。「銀河食堂」という居酒屋。そこに集う常連客たち。オムニバスドラマのような物語。人が集まって賑やかに過ごすことが難しい今、こんな場所があったよなぁ~、あそこにいた人たちはどうしてるのかなぁ~なんて少し寂しい気持ちで読んだ。2020/12/17
ココ(coco)
35
☆☆☆★さだまさしさん、4冊目です。東京のとある下町にある居酒屋に集まる、幼馴染達が1人ずつ語っていく構成になっていて、その内容も深刻なものではなく楽しめました。読後感が心地よいです。2021/03/21
オレンジメイツ
29
さだまさしさんの歌のようにさみしいような優しいような気持ちにさせられる物語。居酒屋「銀河食堂」を訪れる客やその周りの人の切ない話。苦労したんだねぇ、辛かったねぇで終わらないところに希望があって読後がよかった。2021/01/17
ぼっちゃん
28
飲み屋で常連客が語る切ない物語の短編集。さだまさしさんの歌の「償い」に近い「七年目のガリバー」と飲み屋のマスターの謎が解ける「セロ弾きの豪酒」が良かったっです。2021/01/31