内容説明
破綻の危機を乗り越え、総務部長に昇進した二瓶正平を新たな難題が襲う。副頭取の不倫スキャンダル、金融庁からの圧力、中国ファンドによる敵対的買収…。真面目なだけが取り柄の男は、人々の私利私欲に翻弄されながらも、銀行、仲間、そして家族を守ることができるのか。金融業界を舞台にした痛快エンターテインメント小説、シリーズ第二弾。
著者等紹介
波多野聖[ハタノショウ]
1959年、大阪府生まれ。一橋大学法学部卒業後、農林中央金庫、野村投資顧問、クレディ・スイス投資顧問、日興アセットマネジメントなど国内外の金融機関でファンド・マネージャーとして活躍する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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納間田 圭
134
いよいよメガバンクの総務部長に昇進した彼。取り巻く中学高校の同級生は異例の2人…銀座の高級クラブのママと…アジア最大のヘッドファンドマネージャー。泥の味は…蜜の味。出世欲、金銭欲、名誉欲、さらに性欲。プライドに、プレッシャーとストレス。そして…女性の執念と、男の浅はかさ…。いろんな話しが盛り盛りで読み応えあり。生き残りを掛けた…操縦不能な銀行の合併。覇権を掛けた…外資との切った張った。金融庁官僚のプライドと…哀しい習性。銀行合併の影で人柱とのなる多くの行員。そしてそれは…個々の家族崩壊にも繋がっていた。2022/10/08
KAZOO
98
このシリーズ2作目で主人公が、総務部長となり、頭取になった人物が潔く退きます。その後に頭取となった人物がどうしようもない人物で、不倫を同じ銀行の職員と行ってそのために銀行が危機に追い込まれます。前の巻に出てきた元金融庁長官が生きていて姿を現したり、不倫を仕掛けた人物が10年以上も前の遺恨を晴らすために、ということで百鬼夜行のような感じです。エンターテイメントとしては楽しめます。2024/03/18
CABIN
19
総務部長・二瓶正平シリーズ第2弾。大手ヘッジファンドからの買収工作に総務部長の二瓶とメガバンク元頭取の桂が立ち向かうところは前作『メガバンク・宣戦布告』と変わらず。登場人物も前作に出てきた人が多く、続きを読んでいる感じがしました。ディーリングについてはよく分かりませんが、瑤子とヘレンの手に汗握るディーリング対決が面白かった~。でも、佐久間の妻が長い年数をかけて復讐する様子に、女性の恨みはとても怖い…と感じつつ、世の中を動かしているのは女性なのかも…とも思いました。2022/01/14
mitsu44
18
シリーズ2作目。経済小説の様を取ったミステリーという感じかな。よくこんな設定思いつくものです。本作もタイトルの主人公、総務部長になった二瓶正平ではなく頭取を1年で退いた桂光義をベースに話は展開。中国や金融庁の黒幕も巻き込みつつ、次回へつなげる。役員となる二瓶正平は総務部から新銀行の推進本部長へ。次も楽しみです。2021/07/25
フナッキー
6
シリーズ2作目で部長に昇進。気弱な部長の周囲で、またもやメガバンクが大ピンチ。テンポ良いが、結末は全く予想できず。遂に黒幕もチラリと。次作に進もう。2021/02/17