内容説明
ここは万両百貨店外商部。お客様のご用命とあらば、何でも(殺人以外)承るのが外商の仕事。今日も「激レア犬を飼いたい」「娘を就職させて」「愛人と妻が鉢合わせしないマンションを」と無理難題が舞い込んでくる。ある日、顧客の物件探し中の根津は、無理心中した家族の噂を耳にするが、事件の陰に何故かトップ外商・大塚佐恵子が―。お仕事イヤミス!
著者等紹介
真梨幸子[マリユキコ]
1964年宮崎県生まれ。多摩芸術学園映画科卒業。2005年「孤虫症」で第32回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年に文庫化された『殺人鬼フジコの衝動』がベストセラーに(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
馨
113
昔から百貨店が好きだし外商の仕事も知ってみたかったのでデパートの専門用語なんかも知れて楽しめました。それぞれの章のミステリーも面白く、ラストのマネキンには何度か裏切られる展開があったけど期待通りのイヤミスでした。2021/03/13
アッシュ姉
93
真梨さん中毒十七冊目。これまたメモ不要でいけちゃう読みやすさ。イヤミスというよりシュールでコミカルな連作短編。顧客からのオーダーには絶対ノーとは言わず、ご用命とあらば何でも手配する百貨店外商部。ただのお仕事小説で終わらないところが著者ならでは。熱海乙女歌劇団が笑いのツボ。暗黒姫も面白かった。2020/07/13
H!deking
90
やっぱり面白い、真梨幸子(笑)今回は万両百貨店の外商部を軸にした連作短編集。ラストは得意のイヤミスですが、途中はコミカルでテンポよく読みやすかったです。デパートの外商さんて全く関わったことが無かったけど、実際こんなもんなのかなー。暗黒姫のくだりが特に好き。2020/07/04
JKD
65
バラエティに富んだ真理幸子らしい毒々しさの連発。ビューティペアのくだりに腹話術の井上さん、堕天使ラグエル様に勘違いしまくりの剛平ちゃん。登場人物の多さは気にならず、個性の強いキャラばかりで楽しかったです。ラスト「お顔をおつぶしくださいませ」からの蟲毒な外商のプロ根性はなかなかのものでした。2020/04/29
ノンケ女医長
64
南青山シャトーマンションの302号室に住む、68歳の男性。出版業界に言わせれば、流行遅れの作家らしい。彼の部屋に、突然呼び出されてしまった百貨店のトップ外商が表紙に描かれる。2人が協同して、電動ノコギリを用い解体した女性の身体。それは本当にマネキンだったのか、それともそうじゃないのか。どちらにしても、執念の異常性が薄気味悪い。他人の期待にとことん応えることのプロ意識と危機は、本当に紙一重。さて、著者はどんな情熱を、作品に込められているのだろうと、毎回思いながら読む。2023/06/25