内容説明
雨野隆治は27歳、研修医生活を終えたばかりの新人外科医。二人のがん患者の主治医となり、後輩に振り回され、食事をする間もない。責任ある仕事を任されるようになった分だけ、自分の「できなさ」も身に染みる。そんなある日、鹿児島の実家から父が緊急入院したという電話が…。現役外科医が、生と死の現場をリアルに描く、シリーズ第二弾。
著者等紹介
中山祐次郎[ナカヤマユウジロウ]
1980年神奈川県生まれ。鹿児島大学医学部卒。都立駒込病院大腸外科医、福島県広野町・高野病院院長を経て、郡山市・総合南東北病院外科医長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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五右衛門
142
読了。前巻から引き続き読んでしまいました。主人公の成長を楽しみながらもう一方で苦悩、悲しみ等も一緒に経験したようです。辛いことの方が多い中である患者さんから死ぬ間際に良い医者になれよと。父親の最後も壮絶でした。そんな時彼女が居てくれました。救われました。次巻あるのかな?楽しみに待ってます。2021/01/31
ゆいまある
117
研修が終わり、新人外科医となったアメちゃん。え!外科って切るの?縫うの?動脈傷つけて大出血とかあんの?もう手に汗握る。いやー、同じ医師免許貰って仕事するんでも、患者の身体に指一本触れずにいられるのって精神科医だけだよね。私、医者名乗ってていいのかな。アメちゃんは不器用で真面目過ぎて、外科医の癖に癌になった父に会いにも行かない。大事な事を誰にも相談できない。そんなんでどうやって成長していくんだろ。しかもそんなに好きでもない相手と付き合うって決めちゃって。このままじゃクズになるよ。続編へ。2021/11/24
milk tea
112
成長していく雨野くんを見るのは気持ちのいいものですね。佐藤先生の言葉が胸にグサッときます。凛子さん、はるかさんの存在も大きいです。2021/06/26
ぶち
108
現役外科医の著者が描く医療現場の描写は、相変らず生々しいリアリティに溢れています。専門用語が飛び交う手術シーン、医師同士や看護師との会話内容など、医療従事者ではない素人の私にも"ホンモノ"と思わせるものです。TVの医療ドラマにありがちな"いかにも"的なヤラセ感がなく、それだからこそ、新米医師の苦闘も苦悩もひしひしと伝わってくるのでしょう。登場してくる医師たちや看護師たちに自然とエールを送っています。そして、現実の世界でお世話になっているお医者様や看護師の方々にも感謝の気持ちが自然と湧き上がってきます。2020/08/23
ma-bo
104
シリーズ2作目。2年間の研修医期間を終え新人外科医となった雨野隆治。二人のがん患者の主治医となり責任のある仕事を任されるようになるが、自分の未熟さも身に染みる。そんな中故郷の父親ががんで緊急入院したという連絡が…隆治の葛藤、成長、はるかとの関係、次作へ。2023/07/22