内容説明
実力主義の信長家臣団の中でも、明智光秀の出世は異例だった。現代でいうと、五十歳で三菱商事に課長待遇で入社し、三年後には筆頭取締役に昇進するようなものだ。諜報、監視、駆け引き、裏切り…。織田信長と足利義昭―。二人の主君に同時に仕えた男は、情報、教養、そして、したたかさを武器に、いかにして出世の階段を駆け上がったのか。
著者等紹介
波多野聖[ハタノショウ]
1959年、大阪府生まれ。一橋大学法学部卒業後、農林中央金庫、野村投資顧問、クレディ・スイス投資顧問、日興アセットマネジメントなど国内外の金融機関でファンド・マネージャーとして活躍する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゲンキ
132
NHKの大河ドラマ「麒麟がくる」ブームで読んでみました。今まで読んだことがない内容となっています。光秀が信長に凄く頼られています。処世術に長けています。本能寺の変も、信長の恐怖に追い込まれて裏切るのではなく、人間として真に生きようとして裏切る内容になっています。また本の構成が、歴史小説9割、ビジネス書1割といった感じで、信長の恐怖で家臣たちを支配しようとしたやり方を批判し、上に立つ者の心得等も書かれていて、大変勉強になります😓。組織の中の上下関係は戦国時代も今も全く変わらないなぁ⁉️って思えて来ますよ。2021/01/15
雪月花
44
明智光秀のことをもっと知りたくて読んだ本だったが、期待を超える濃密な内容で、今まで読んだ時代小説の中では一番詳細にわたって明智光秀と織田信長の関係が描かれている。足利義昭と信長の関係がどう壊れていくかもよくわかる。光秀は容姿端麗、頭脳明晰、商才もあり、茶や連歌の才能にも長けており、鉄炮の扱いも見事で策士でもあり、異例の速さで出世し、信長に最も信頼される家臣だった。足利義昭にも頼りにされていたが、義昭に従うふりをしながら、情報を全て信長に流す狡猾な面も描かれる。最後どのように本能寺の変に至ったかの展開は→2021/02/20
みこ
31
中途採用の光秀が信長の下で出世していく現代サラリーマン風味で面白かったのだが、もう少し歴史小説の枠を打ち破って現代風に振り切っても良かったかなとも思った。後半は振り切った感があるだけに前半の普通の歴史小説の普通さが際立ってしまったのが少々残念。また、タイトルから信長義昭間で暗躍する姿を期待したが、早々に義昭の小物ぶりが露呈し、光秀に見限られていたので言うほどダブルエージェントな感じではなかった。対して延暦寺で先陣切って焼き討ちに参加した光秀の動機には充分に納得がいくものがあった。2022/01/26
まさ
29
上司の考え方、方向性が自分の目指すものと異なると気づいたときにどうするか。親会社(幕府)を含めて、立て直そうと動くサラリーマンが動く現実の中でとるべき行動は…と、歴史の謎を想像しながらも現代にも通じる事象としても読むことができた。2021/09/30
mitsu44
15
朝廷及び将軍足利義昭、織田信長の2人の主君に仕え、秀吉と並び織田家中で最も活躍した明智光秀。経済小説を書く著者が新たな視点で書き下ろした小説。本能寺の変に至るまでの過程は信長が光秀へ酷い仕打ちをしたから、というよく軽いやつに書いているものではなく、茶の道から生じた違和感から膨らませたものだった。この手のものはいくつも読んだが、ちょっと全体的に軽いかなと感じた。 ちなみに父曰く私の名前の由来は光秀から来ているらしいです。2023/04/17
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