内容説明
学校の女王・京香に告白し振られた石黒くんが意識不明の重体で発見された。クラス全員に失恋をバラされたショックによる自殺未遂かと思われたが、学校は知らん顔。しかし半年後、名ばかりの偽善グループライン「石黒くんを待つ会」に、病院で眠り続けているはずの本人が参加し大混乱に。“復活”は復讐の合図!?弱肉強食だった教室の生態系が崩れ出す。
著者等紹介
武田綾乃[タケダアヤノ]
1992年京都府生まれ。第八回日本ラブストーリー大賞最終候補に選ばれた『今日、きみと息をする。』で2013年にデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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読書素人本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ポップノア♪@読書超絶停滞中
76
フラれた直後に意識不明で発見された石黒和也。半年後、名ばかりのグループライン「石黒くんを待つ会」に和也が参加した事で物語は大きく動き出す。スクールカースト物は苦手だが、武田さんの作品なので意を決して読んでみた。女王気取りの久住京香を筆頭に、案の定胸糞悪い人物が多い。そんな重苦しい雰囲気の中、事態を一変させる「タマリン」の大量出現(笑) 予想外の展開に武田さんの奇才ぶりを堪能しました。学生時代にラインが無くて本当に良かったよ。上手く立ち振る舞う自信が全く無いからね。ラストは悲劇の中の幸いと言っていいのかな?2020/12/24
佐島楓
48
人間ってそんなものだよね、と抉られる感じが、なんとも……。 2019/12/13
アズマ
43
単行本を読んでからこっちを読んだのでかなり変わってました。結末は単行本の方が面白かったです。結局宇正が1番正しくて歪んでました。2020/04/19
詩界 -うたか-
35
#読了◆唯一スマホを持ってない機械音痴のイケメンと仲の良い石黒くんは、私たちの前から姿を消した。SNS、LINEグループ。カースト制度の末、見えたものは◆凄く辛い。きっとこうなるだろうなという結末を辿ってしまったことも、LINEグループによって会話が別れ、仕返しや正義に燃えてるようで同じ事をやっている。人間の醜さを感じた。読ませる力は素晴らしかったし巧みな書き方で読み切る作品。誰かの悪口が永遠にこの世界から消えないのかな、と悲観してしまいました。2021/06/26
さくら
31
先日、単行本を読んで、文庫本では結末が違うらしいと知ったので、すぐさま文庫本も読みました。本当に全然違う話になっていてビックリ。私は断然単行本の方が好きでした。何が正しいか分からなくなるラストという点では共通してますが、単行本の方が救いや希望やスッキリ感があった気がします。文庫本だけ読んだ人には、ぜひ単行本も読んでもらいたいなぁと思ってしまいます。でも、こんな風に単行本と文庫本で全然結末や登場人物のキャラが変わるのは初めてだったので、二度楽しめるのは面白いと思いました。2021/10/10