内容説明
新人賞の選考に関わる編集者の刺殺死体が発見された。三人の作家志望者が容疑者に浮上するも捜査は難航。警視庁捜査一課の新人刑事・高千穂明日香の前に現れた助っ人は、人気ミステリ作家刑事技能指導員の毒島真理。冴え渡る推理と鋭い舌鋒で犯人を追い詰めていくが…。人間の業と出版業界の闇が暴かれる、痛快・ノンストップミステリ!
著者等紹介
中山七里[ナカヤマシチリ]
1961年岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、2010年にデビュー。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
射手座の天使あきちゃん
309
文学賞選考の下読み、編集者、大御所作家にベストセラー作家、ベストセラーのドラマ化担当テレビプロデューサー… 捜査一課の新人刑事・高千穂明日香のまわりで次々と起こる出版業界関係者の殺人事件を快刀乱麻を断つがごとく解決するのは、うふ、うふふ、うふふふふと不気味に笑う我らが中山七里さん! じゃなくて刑事技能指導員・毒島真理 出版業界の醜い部分を面白おかしくデフォルメした作品かと思ったら、現実はもっと滑稽で悲惨ですって書いてありました。恐っ❕2022/05/20
イアン
176
★★★★★★★☆☆☆出版業界を痛烈に皮肉った『作家刑事毒島』シリーズ第1弾。新人賞の下読み担当者が殺害された。作家志望者が犯人と睨んだ麻生が刑事・高千穂明日香を向かわせた先は、元捜査一課刑事という異色の経歴を持つ作家・毒島の元だった…。出版業界内で起きる殺人事件を、温和な表情の裏に毒舌を隠し持つ毒島がぶった切る連作短編集。作中で毒島が難読漢字を使いたがる作家志望者に苦言を呈する場面があるが、『連続殺人鬼カエル男』のレビューで私も同様の批評を行っていた。どの目線で物を言っているんだと中山先生に叱られそうだ。2024/12/20
KAZOO
174
中山さんの出版業界を警察事件を題材に皮肉っているのでしょうか?5つの連作でこの主人公の言いたい放題で犯人をあぶりだす方式は珍しい感じで新鮮でした。毒島というより毒舌という名前にした方がぴったりの感じです。私は楽しめました。2018/11/02
yumimiy
172
結局、作家兼業の名物刑事・毒島真理に魅力を感じなかった。なもんで短編5話を読み切るのキツかったよん。多分、プロ作家を目指す人間物語に興味ないからかな。1話の「ワナビ心理試験」は、今から作家を目指す方は読んだ方がいいかもね。want to be…そうなりたい…上辺だけで本質を捉えていない者…嘲笑的、侮蔑的なニュアンス。しかも、作家志望者は普通の社会生活に不満で小説を書く。あまりまともなのはいないと七里さんは書いてましたw。最後に、同じ変人なら職種は違えど、奥田氏の精神科医・伊良部一郎先生の方が面白いのです。2023/05/04
SJW
158
元刑事で現在は人気ミステリー作家と同時に刑事技術指導員の毒島真理が新人刑事 明日香と共に解き明かす5つのミステリー。どんでん返しもなく、ミステリーと言うよりも、出版業界の裏を毒舌とブラックユーモアでこき下ろす作家志望の方は必見のお仕事小説に近いのでは。知念さんが解説を書かれているが、モデルはズバリ中山さん本人だと言う。本当にこのまで性格が悪いのか確かめたくなった。作品の最後にある言葉「この物語は完全なるフィクションです。現実はもっと滑稽で悲惨です。」には顔が引きってしまった。2019/10/03