感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
110
ある葬儀に参列した時、百歳を過ぎた親を彼岸に送り出した喪主は「自分が送り出せてホッとしました。」と言いました。この作品は『諸行無常』そのもの。どこかの家庭を切り取った様な感じだった。伊丹監督の『お葬式』も少し思い出した。おじいちゃんが亡くなっての数日の家族の事・・ふんふんと読めるのに、認知症で一人残されたおばあちゃん。最後のおばあちゃん・ハルのページが沁みる。とにかく沁みる。2017/11/27
ででんでん
52
おもしろかった。おじいちゃんが亡くなって、それから数日間の家族の物語。おじいちゃんの3人の子どもたちと、その家族たち。10人ほどの人物それぞれのモノローグの形で物語が進んでいく。それぞれに嫌な奴だったり、問題を抱えていたりの面々が外には出さずに心に抱えている言葉がうまく描かれる。比喩が効いている。失礼な発言をして妻に引ったたかれた父親を見て娘が思う「夫婦ってこういう時のために二人でいるのかな。ポジティブな意味じゃなく、懐中電灯とその予備の電池みたいな、最悪の事態に備えて」というのがツボだった。2018/01/29
PAO
20
「おじいちゃん死んじゃったの、意外とみんな悲しくないのかな」…近親者って葬儀やら何やらで悲しむ余裕がないのかと思っていたのですが、ただ本当に悲しくないのかも?その中で一人涙を流す薫さんと認知症でも鈴を鳴らして弔うおばあちゃんの姿が印象的でした。男達の不甲斐なさと女達の逞しさのコントラストが何とも言えない隠し味となっていて全体としてのとぼけた感じとても好きです。最後のメメントモリ写真を確認しにガンジス川まで行って「死体ゴロゴロしてないじゃん」という感想も面白いですね。もっと読まれてもいい本だなと思いました。2018/09/24
ちょこちん
14
★★★★☆ 意外とみんな悲しくない・・・2020/05/03
NAO
10
良かったです。以外と名作です。吉子は流石です!2022/12/18