内容説明
築五十年のオンボロビル「スカイカーサ武蔵小金井」には、人なつこい幽霊の少女・アリサがいる。一階の若き古本屋店主・達也を始め、逝ってしまった大事な人への後悔を抱える店子たちは、アリサの「つなぎ」でその人たちと涙の邂逅を果たす。みんなに愛されるアリサだったが、その「過去」にはある痛ましい事件が―。ほろりと泣けるミステリ。
著者等紹介
ささきかつお[ササキカツオ]
1967年東京都生まれ。早稲田大学卒。出版社勤務を経て書評家、ライターになる。2015年『モツ焼きウォーズ―立花屋の逆襲』が第五回ポプラズッコケ文学新人賞大賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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papako
62
なんとなく気になって。ある貸しピルに閉じ込められているツインテールの幽霊アリサちゃん。店子になった人達に、亡くなっている人の言葉を伝えてくれて。。。1階から4階の問題を解決して、最後はアリサの正体と成仏。引っかかるところもあったから、なんとなく読了。概ね想定内のお話。かな。2019/08/29
あいら
15
都心、駅から徒歩3分の優良物件ビル、ただし幽霊付き。 そこに入居した4件の店舗に現れるツインテールの女の子、の幽霊。 人懐っこくてかわいらしい幽霊「アリサ」と仲良くなる入居者達は、なぜアリサがこのビルにいるのかを探るのですが・・・。 ほっこり、そしてホロリと泣ける各階の入居者パートとラストのアリサの謎パート。 天真爛漫なアリサのまさかの過去が切なかったです。 終わり方は思わずニヤリとしちゃいました。2020/08/19
のんちゃん
12
小金井のとある古い店舗賃貸ビルには、人懐こい幼女の幽霊アリサが棲み着いている。今までの店子は彼女を怖がり出て行ってしまったが、彼女の存在のおかげで値下がりになった賃料に惹かれて、その上、彼女の存在を面白がる店子が4人入居した。そしてアリサは彼らと仲良しになり、彼らと彼らがわだかまりを持ったまま死別してしまった人々とを繋いでいく、というお話。最後にアリサ自身の悲しい過去も明らかになる。そしておまけもちょっと。温かいお話でサクサクと読了。ハッピーエンドなのが、これまた、よかった!2017/11/08
ひまわり
9
幽霊つきビルの店子になった人たちが,幽霊のおかげで亡き人と思いが通じ幸せに。アリサもあの世で幸せになれることを願っています☆2017/09/23
紅羽
9
幽霊つきビル「スカイカーサ武蔵野小金井」の住人たちと、アリサという少女の幽霊との交流の物語。住人たちは皆、過去に死別等で別れた人たちと何らかの蟠りを残していて、アリサはそんな彼らと彼らを見守る幽霊たちとの橋渡し役となっていく。次第にアリサ自身に秘められた過去も明らかになっていって、ラストで明かされた真実にちょっと切なくなりますが、心が温かくなる素敵な作品でした。 2017/06/18