内容説明
白髪の無口なマスターが営む「バー・ピノッキオ」。カウンターにわずか8席の小さな店に、連日、仕事や恋愛に悩む客がやってくる。人生に迷い疲れた彼らは、店での偶然の出会いによって、それぞれの「幸せな記憶」を呼び醒ましていき…。そして、マスター自身もまた、誰にも言えない秘密を抱えていた。バーに集う人々が織りなす大人味の物語。
著者等紹介
はらだみずき[ハラダミズキ]
1964年、千葉県生まれ。商社、出版社勤務を経て作家に。2006年『サッカーボーイズ再会のグラウンド』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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柊文庫本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はつばあば
65
アクション系のバーを想像していたのが大間違いだった。が、しみじみと人生を語るにはバーがいい。見ず知らずの者同志が・・ああ酔っ払いはダメですよ。私にもそんなバーを一軒大事にしておりました。四条河原町の高島屋の向かい・・今じゃマルイの裏になるのかな・・もう無いでしょうねぇ。このマスターのような60代の素敵な人でした・・結婚するまでの一時を如何に過ごすか・・。あらら・・昔の思い出ばかりで進歩の無い人生の終盤に向かっております2017/08/10
mr.lupin
39
白髪の無口なマスターが営む「バー・ピノッキオ」。カウンターにわすが8席の小さな店に連日、仕事や恋愛に悩む客席がやって来る、五編からなる連作短編集。特に派手な展開は無いものの小洒落た雰囲気が漂い、とても読みやすくて、静かに時間が流れる大人のの物語だった。『自分にとって最高の日』とは、いつだったんだろう? こんなバーが近くにあれば、一度訪れてみたい。⭐⭐⭐⭐★2024/05/06
のんちゃん
33
舞台は東京近郊にあるバー。そこは訳ありの老マスターが営み、悩みを抱える常連客が夜な夜な集っていた。この舞台装置だけでもなにやら興味を惹かれるが、お話の軸は「あなたにとって最高の一日はどんな日だったか」と言うもの。『ぼくの最高の日』が単行本発行時のタイトルである。読後、自分にとって最高の一日は、いつ、どんな日だったかを読者は考えたはず。もちろん私も。2018/05/30
再び読書
31
最初の話の二人の子供の頃の出会いに驚いた。でも結局二人は結ばれなかった。これも人生。そしていろんな人 の人生が一部重なり会いながら、最後の作家の話が良かった。『人生で最高の日』こんな本が読みたい。一点文句を付けるなら、カバーのマスターの顔の下半分が不気味なのと、微妙に胸部が膨らんでいる中性な感じが本を読み終わった余韻を壊す感じがした。2023/07/15
み
27
さくさくと♪初読みの作家さん。バーってトコに居心地が悪く感じちゃうあたしは憧れを持って読了。2017/09/03