内容説明
ソマリアの国境付近で活動する陸上自衛隊第一空挺団の精鋭達。そこに命を狙われている女性が駆け込んだ時、自衛官達の命を賭けた戦闘が始まった。一人の女性を守ることは自分達の誇りを取り戻すことでもあった。極限状況での男達の確執と友情。次々と試練が降りかかる中、生きて帰ることはできるか?一気読み必至の日本推理作家協会賞受賞作!
著者等紹介
月村了衛[ツキムラリョウエ]
1963年生まれ。早稲田大学第一文学部卒。2010年に『機龍警察』で小説家デビュー。12年に『機龍警察自爆条項』で第三三回日本SF大賞、13年に『機龍警察暗黒市場』で第三四回吉川英治文学新人賞、15年に『コルトM1851残月』で第一七回大藪春彦賞、『土漠の花』で第六八回日本推理作家協会賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
219
ソマリアへ派遣された陸上自衛隊員の現地部族から一人の女性を守りきれるか、という物語で久しぶりに読む手が止まりませんでした。大沢在昌さんの新宿鮫シリーズ以来です。7人だけが最初生き残りその後最後には女性を含め4人になってしまいます。その間には自衛隊内部でのことなどが語られたりあるいは女性への想いなどがあり、まあ楽しませてくれます。2017/02/16
のり
164
ソマリア国境で後方支援を行っていた陸上自衛隊の面々の前に、氏族間抗争の生き残り「アスキラ」が助けを求め事態が急変する。圧倒的な武力に仲間が次々と倒されていく中、「友永」達は生き残りをかけて応戦する。敵対氏族は、イスラム武装組織とも手を組み、状況は悪化するばかりだが、陸自の面々は己を犠牲にしても仲間を救う姿が猛々しい。アフリカの地下資源を巡る利権争いが悲惨を招く。亡骸が日本に帰れないのが悲しみを一段と深くする。2018/10/25
寂しがり屋の狼さん
156
ソマリアの国境付近、ジブチで海賊対処行動に従事していた自衛隊の活動拠点近傍で米軍機が墜落した。捜索救助に向かった自衛隊の捜索隊のもとへ助けを求めて駆け込んだ現地女性のアスキラ。記録に残らない現地武装勢力と自衛隊員との壮絶な戦闘が繰り広げられる…SNS等で誰もが気軽に情報を発信できる時代において決して表には出ることの無い戦闘。日本から遠く離れた土漠の地に散っていった隊員の遺族にさえも、その本当の理由が伝えられる事はない。彼等の命を懸けた想いが何時か花を咲かせる事を願う…2020/02/08
あすなろ
140
未だかつて戦ったことのない軍隊である自衛隊が、こんな成り行きで戦うことになろうとは…。日本推理作家協会賞受賞作である。この作品は、かなり以前から読みたくて、タイミング逸していた作品。なかなか読ませてくれました。ラストは、どうこの重いテーマを結ぶのかと思えば、ま、ナルホド、そういう結びにならざるを得ないかと。正月早々、考えながら、かつ、冒険小説の要素も併せ持つ作品を堪能させて頂きました。また、この政治的テーマとエンターテイメントとの見事な融合もスゴイと思います。2018/01/03
おしゃべりメガネ
130
6年ぶりの再読です。映画『ティアーズ・オブ・ザ・サン』を観て、本作を思いだし、手にとりました。本作を初めて読んだトキの衝撃は全く色褪せるコトなく、ページを捲る手が止まらずイッキ読みだったのをハッキリと憶えています。自衛官がソマリアの地で1人の女性を守るために戦いぬくそのストーリーに胸がアツくなるコト必至です。まるで映画を観ているかのような展開に、読むのを途中でやめるコトなんてできるワケがありません。戦い、守りぬく自衛官達のカッコよさと言ったらハンパありません。無理だろうけど、ぜひとも映像で観たい作品です。2020/11/28