内容説明
大身旗本への奉公替えで更なる出世を果たした川端藤吉。俸禄も上がり、前途洋々かと思われた。しかし奉公先である小出家では、百姓上がりの藤吉の事を良く思わない者ばかり。世話をする事になった馬への嫌がらせを受け、それが原因で若殿に怪我をさせてしまう。突として窮地に立たされる藤吉に、一筋の光明は差すのか?堅忍不抜のシリーズ第三弾。
著者等紹介
千野隆司[チノタカシ]
1951年東京都生まれ。國學院大学文学部卒業。90年、「夜の道行」で第十二回小説推理新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とし
100
出世侍[昨日の敵は今日も敵]3巻。今回は、新たな奉公先小出家で随分とお家のために内外に活躍したにもかかわらずの五俵二人扶持から十俵二人扶持、随分と厳しい評価でしたね~家臣たちの妬みのため陰湿ないじめにあい殿さまの耳にはとどかずに仕方ないですが、少しずつ籐吉に心許す者が出てきました次回が楽しみです。2016/11/07
美月0217
32
1巻、2巻では割とトントンと出世していく藤吉…でも、この3巻…憎ったらしいのがいるのっ!なんかもう!私が1番嫌いなタイプがいるんですよねーっ!そのうち1人が怪我した時にはやった〜!とか思っちゃいましたが残るあいつら(言葉悪い?)あーっ腹立つ!絶対負けんでね!と思った3巻目(笑)2016/06/25
はにこ
29
流鏑馬の腕を買われて奉公変えになった藤吉。しかし、そこには意地悪な武士ばかり。虐めぬかれる姿が目も当てられなくて読むのが辛かった。男の腐った奴ばかりで本当に武士かよ?って言いたくなるわ。それでも元奉公先の人々など今まで支えてきてくれていた人の思いを胸に精進する藤吉に感心した。最後の流鏑馬も見事!とはいえ、頭角を現す藤吉を憎む気持ちを増長させてしまっただろう。さて次はどんな嫌がらせをされるのか。心配だわぁ。2021/04/09
あちこ
10
新たな奉公先の小出家へ。永穂家の覚助がいい奴に思えるくらい、小出家の家臣がひどい……笑 味方がいなくてしんどかったけど、たゆまぬ努力と流鏑馬のおかげでほんの少し認められてきてよかった。ただ覚助の時そうだったんだけど、嫌味男との決着も和解もないのが若干の消化不良で、今回もそうなりそうな予感。まあ、そこまで上手く行かないってことなのかもしれないけど。出世面は少しお給料が上がった事くらいで、とんとん拍子感がどんどん薄れてきたのがちょっと心配。2018/03/26
ひさか
10
2016年6月幻冬舎時代小説文庫刊。書下ろし。シリーズ3作め。新しい奉公先の小出家で孤立する藤吉が辛そう。少しづつ味方が、増えてくるところが面白い。次巻が楽しみです。2016/07/26