内容説明
極秘来日していたオノコロ国のトップが“暗殺”された。自首したのは、衆議院議員の息子で創薬研究をする大学院生・一臣だった。しかし彼には動機がまったくなく、殺害方法の供述も二転三転する。一臣を操るのは、オノコロからの美しい留学生・ニキか、かつて一臣と愛し合った義妹・多佳子か。“彼女”の心の底にあるのは、正義感か復讐心か―。
著者等紹介
矢口敦子[ヤグチアツコ]
1953年北海道生まれ。病気のため、小学校五年で通学をやめ、通信教育で大学を卒業する。97年「人形になる」で女流新人賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yumiDON
48
つながる手で人生が変わるー。なんて意味深な書き出しだろう、と思ったら原子の話で、冒頭から何だかやられた感。これはちょっと好きな作家さんかもと思い読み始めました。インフルエンザの薬を研究する学生の一臣と、そこに来たどこか薄暗い影のある留学生。とても好みの展開でした。予想外に小さく収まってしまい残念さも残る話でしたが、文章や雰囲気は好きだと感じたので、他の作品も読んでみようと思います。2017/01/20
momi
41
タイトル買い!この著者は理系の方?きっとそうなのね…と思いながら読んでいたのですが…まぁ、なんて読みづらいのでしょう!長々と薬の研究室の話が続くが、そこは話の核の部分ではないし…。何が言いたかったのだろう??全体的にボヤけた作品としか言いようがない!フィリンピンの近くの小さな島オノコロ。そこの大統領が日本に極秘来日をしていたが暗殺された!暗殺を企てたのは誰なのか!?タイトルのインパクトは強いが中身がともなっていない。危険な娘ねぇ…まったく伝わってこなかったです…。2015/10/22
きさらぎ
39
読み始めてすぐ、「あー。この作家さん、合わない」と感じてしまい、読了するのが苦痛だった。意地で最後まで読んだけど(;^_^A よその国の大統領が、来日中に衆議院議員の息子に殺された?となれば、国際的に大問題のはずなのに、なぜか捜査がおざなり。研究室の人たちも、彼の無実を信じている割には動こうとしないし。登場するすべての人たちが子供っぽく、事の重大さと比較してちぐはぐだった。2017/02/03
seiko★
12
読後、心に何も残らなかった。。。国際問題をはらんだ正義感だの復讐劇だのの展開があるのかなと思いながら読んだのだが・・・ちょっと肩透かし感があり残念…。ただ多佳子の執念深さは怖い。。。2016/04/25
JKD
12
本来なら国際問題になりかねない暗殺事件もオノコロというふんわりしたお国に設定しているせいか緊張感がなく、オノコロ人の派閥組織も何だか中途半端だし、研究室での英語禁止のシチュエーションや創薬研究ネタなど、ムダが多かった気がします。多佳子中心の物語にしたほうが良かったかもしれません。2015/11/15