内容説明
「儂を大坂町奉行で終わらせるつもりか」。若き内与力・城見亨は、主の曲淵甲斐守から叱責を受けた。だが配下の町方は怠惰と汚職にまみれ言うことを聞かない。どころか甲斐守を排除すべく老獪な一計を案じる。思惑の渦にのみ込まれた亨。忠義心ゆえの生真面目さは町方の餌食か?保身と出世欲が衝突する町奉行所内の暗闘を描く新シリーズ第一弾!
著者等紹介
上田秀人[ウエダヒデト]
1959年大阪府生まれ。大阪歯科大学卒業、歯科医師。97年、小説CLUB新人賞佳作。『孤闘立花宗茂』(中央公論新社)で第十六回中山義秀文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
海猫
99
お話は上田作品の定番展開ながらも、町奉行所や内与力の世界や事情は良く書けていて興味深く面白い。この巻はセットアップが完了した時点で終了で、まだ主人公は世間知らずゆえに戸惑うのみ。次巻以降で忠義と正義の板挟みを越えてヒーローとしての成長が描かれることに期待。剣戟場面もたくさん出るようになるとなお良し。2015/11/11
とし
76
町奉行内与力奮闘記「立身の陰」1巻。 父城見桂右衛門の後を継ぎ、大坂町奉行曲淵甲斐守の内与力となった忠義と超真面目のかたまり城見亨さん、どんな活躍奮闘をするのか楽しみですね、今回は早々の転勤、大阪から江戸へ曲淵甲斐守の出世欲、町方それに、海産物問屋西海屋を祖父とする咲江が江戸に亨を追って、さてさてどんな騒動が待っているのか次巻が楽しみですね。 2020/02/29
shiozy
17
上田秀人の新シリーズである。舞台はどこだ? なんと大阪町奉行所である。町奉行といえば、江戸でしょう。大阪にもあったの?という意表を突く舞台である。大阪らしく与力・同心達は日和見わりきり金の亡者。江戸者の主人公には馴染めない。こりゃなかなか面白い。と思っていたら、後半にはすんなり江戸に戻ってしまったぞ。なんや、やはり江戸かい。大阪もののほうが面白そうなんだがなあ。(苦笑)2015/09/19
mam’selle
15
久しぶりに上田さんの本をよみました。今回は加賀藩留守居役と、かなりマイナーな職業設定ながらも、金沢、江戸、会津、日光と舞台に変化があり、結構退屈せずに楽しめました。2016/02/24
klu
8
いまいちのめり込めなかった2018/09/28