内容説明
その名前じゃ、女の子にはなれないでしょう?大学生の光一に次々に届く、Keyという謎の女性からのメッセージ。やがてKeyは、光一に名前を変え、女装することを強要しだす。「ぼくがぼくじゃないみたい」。鏡に映ったもうひとりの自分を愛し始めた光一。自ら選んだ性を生きる日本人たち。望んだ肉体と精神が手に入る驚きのラスト!
著者等紹介
辻仁成[ツジヒトナリ]
東京都生まれ。1989年「ピアニシモ」ですばる文学賞、97年「海峡の光」で芥川賞、99年『白仏』のフランス語翻訳版『ル・ブッダ・ブラン』で、仏フェミナ賞・外国小説賞を日本人として初めて受賞。著書多数。詩人、ミュージシャン、映画監督としても活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しば
5
タイトルと表紙と帯に釣られて。母に棄てられた中性的な青年がある日受け取った見知らぬ人からのメール。小説家を目指すゼミ同期生達や隣人のMtF(かな?)。化粧をして空っぽな自分の中にもう1人の自分を見つける。最後は大円満感が否めないが、なかなか面白かった。性を超越した存在というものに憧れる。そういえば辻仁成ははじめてだった。2014/04/20
かのぽ
3
なかなかに酷い。辻仁成の妄想の世界を無理矢理見せられたかのような、胸の悪さ。愛をください、にあった感動はどこへやら。日記にでも書いたらいいような内容。やまなし、おちなし、いみなし。2015/01/03
くろろん
3
積んでたのを消化。思ってたよりもジェンダーずっぽりではなかったかな、ささっと読了。みんなそれぞれ、と言いながらも、やはりジェンダーの壁は分厚い。ラストの女子たちみたく気軽にジェンダーに触れて欲しい今日この頃2014/07/13
おまめ
3
Keyの正体は読めます。だから「驚きのラスト」とはならないけれど、ジェンダーについて考える過程はなかなかどうして興味深いですね。自分は男っぽくないと言う主人公に対しての、「自分で言わない方がいいよ、そんなこと。男っぽいとかって一つの基準だから。こうじゃなきゃいけないってのは、ないんじゃない?」という言葉が印象的でした。2014/04/23
あぷりこっと
2
あらすじを見て読みたいなあとタイトルをメモして数年、西塚emさんが表紙を描いたというので購入を決意。でも、うーん。内容は面白い。みんな好きな生き方をすれば良いよと思う。けど、大げさに言うなら主人公は自分の存在意義とはっていう現代日本人には解決できそうにない穴にはまり込んだ厨二だし、新しい自分を見つけたと言っても周りに唆されて流されただけで空っぽなままのようにも思えるし。第三の性、ミュータント、とかっていう新しい考え方もあるんだよ!と言うなら小説にする必要はないようにも感じます。新書の方が向いてるんじゃ?2014/05/08