内容説明
勉強も運動も苦手な歩は、なんとなく将棋部に入部する。そこには、亡父の願いと周りの期待に悩む天才・倉持がいた。そんな時、県大会の団体戦メンバーが呼び上げられる。落ちこぼれと本気になれないエースが、タッグを組んで奇跡を起こす!?僕らの未来を決めるのは、大人でも偏差値でもない―実在の将棋部をモデルにした絶対感動の青春小説!!
著者等紹介
小山田桐子[オヤマダキリコ]
1976年神奈川県生まれ。早稲田大学卒業後、編集者を経て、現在、フリーのライターとして活動している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
輝星
75
教科書に出てきそうなくらい真っ直ぐで明るい本。すごく良かった。将棋は3月のライオンなどの影響で少し興味があって、読んでてすんなりと用語が入ってきて分かりやすかった。何をやってもうまくいかないとネガティブになっていた歩がだんだん強くなり、最後は勝利を勝ち取る姿が感動した。家族の話も良かった。また、真逆の立場にいる倉持の苦悩もなんとなく共感できた。自信がない。分かる気がする。梶の正直すぎるところが好き。将棋は個人戦なイメージだが、チームでお互いを高め合って変えていく。そんな団体戦の様子がいいなあと感じた。2017/04/16
七色一味
64
読破。少し前に『歩のおそはや』という作品を読んでいたが、同じ将棋部の話でも花のあるなし、と言う感じ(笑)こちらは活動的に花がある方で、あちらは見目の麗しさに花がある方…。なんて邪道な読み方はイケマセンな。☆1冊に3年間詰め込んじゃいましたか。そのためか、表層から10センチと言う感じの中途半端な深さの作品になってしまったかな、と言う印象でした。2015/08/28
ひめありす@灯れ松明の火
58
清々しく折り目正しい将棋系青春小説。表紙の倉持と歩も凄く爽やか!です。あらすじと本文の内容があんまり揃って無くて、想像よりも淡々とお話が進んでいく感じでした。正しくあっという間の三年間でした。折角個性豊かにメンバーが揃ったのだから、もう少しゆっくりしたペースで進んでも良かったのに、と思います。自分の戦法を選ぶ事、何かを諦める事、離れる事、人と出会って覚える事もっと丁寧に読みたかった。倉持の食生活の乱れがなんだか妙に面白かったです。小料理屋の息子なのに、お母ちゃんそれでいいんかい!と突っ込みたくなりました。2014/09/02
kana
52
久しぶりに将棋がしたくなった❁『将棋は相手を打ち負かして勝ち誇るものじゃない。負けを知るゲームだ。』先輩が1年生に将棋を教えるときの言葉が印象的。なんとなく将棋部に入る歩と天才少年倉持目線で語られる物語。部員のハルヒや祐介、梶達と共に成長する。衝突することもあるけど、同じ時間を過ごす中で絆を深めていく。一緒に頑張れる仲間ってかけがえのない大切な存在なんだよねと、読後心が温かくなった。自分が頑張ることが、相手の頑張りに繋がっている。そんな風に思える関係の彼らだから、最後の団体戦で奇跡を起こせたんだと思う。2017/09/17
ユー
47
将棋をモチーフにした青春小説とは、中々面白いですね。ここ一番という感動シーンは、見つけられませんでしたが、羽生名人が言った言葉の引用が、とても心に残りました。「直感とは単なる当てずっぽうではなく、努力し、培った経験から生み出されるもの」。ここに出て来る彼らも一生懸命努力し、経験を培い、強くなっている、そして成長していますね。2017/04/05