内容説明
父ヒロシには、右手の親指がない。若い頃、鉄を延ばす機械でマンガみたいに広げちゃったから。笑わせてばかりの父に、昔話をせがむと―。兄が生まれた時、大喜びして母に菊の花束を贈ったこと。初めて買ったステーキ肉を、緊張した母が黒焦げにしたこと…。貧乏だったが、いつも笑顔と幸せがあった。俳優・安田顕の感性が光る、家族愛エッセイ。
目次
オヤジの親指
親父の恋
親父と酒
親父と歌
親父と病
親父の家
親父と兄貴
親父←→手紙
親父と舞台
親父と映画〔ほか〕
著者等紹介
安田顕[ヤスダケン]
1973年北海道室蘭市生まれ。演劇ユニット「TEAM NACS」のメンバー。ヤスケンの愛称で親しまれている。TEAM NACSの活動以外にも、映画、ドラマ、舞台など幅広く活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
-
読書素人本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
masa@レビューお休み中
116
共通点は、北海道出身ということと、同世代ということだけ。安田顕は、大泉洋と同じ劇団・TEAM NACKSのメンバーである。室蘭に生まれ、室蘭で育った父・弘史と息子・顕の親子の歴史、家族の愛、息子がはじめて知る父の物語などがエッセイとして書かれています。下の話から、お酒の失敗談、父の恋まで…父・弘史のエピソードが詰まっています。つい、安田さんのお父さんに親近感を湧いてしまうのは、同郷だから…という言葉だけでは説明できないように思えます。きっと、弘史さんの人柄なんでしょうね。巻末の親子対談がまたいいんですよ。2014/03/05
積読亭くま吉(●´(エ)`●)
82
★★★☆ご本人や、TEAM NACSのファンと言う訳でも無く、たまにTVで見かける程度にしか存じ上げ無いのですが。ずいぶん優しい方なんですね…。優しい人の文章は、何だかやたらと沁みてしまって(笑)お父上を軸に語られる家族のユーモラスな話しに、笑わせられながら…何故だか胸がつまりました。今も、奥さまや娘さんとは離れて生活されているのでしょうか?出来ればお嬢さんのそばで…なんて老婆心ながら思います。この優しい優しい人が側に居る事は、奥さまにも娘さんにも、とても意味がある事のように思えてならないから。2015/08/16
あつひめ
45
家族。俳優という色々な役をこなす裏にある本当の姿を見た気がする。北海道弁の暖かさが、時には切なさも連れてくる。親子って難しいと思ってた。でも、自分も親になって親は子供のようになっていく。大きな背中も少しずつ小さくなっていく。自分の知らなかった親の時代を語り合うって、いいなぁ。2022/02/15
青葉麒麟
38
安田顕目当てで購入。あの変態振りは父親譲りなのか。この文章好きだわ。活字からも変態が滲み出てます。父親の事を一歩引いて見てる感じが何だかヤスケンらしい。洋ちゃんのエッセイとは又一味違います。娘さんもヤスケンのDNAを受け継いでいるっぽい。この本を読んだら益々ヤスケンが好きになりました。2015/07/15
Shoko
36
古本屋さんで見つけました。「俺の話は長い」を毎週楽しみに観ている昨今。その中でも、とっても良い味出しておられる安田顕さんがお父様のことを綴られたエッセイということで手に取りました。じんわりあったかい気持ちになり、自分の親のことも考えながら少し寂しいとも感じました。私もついつい毎日忙しいと、連絡を怠ってしまいますが、たまには手紙も良いかもしれない。親のことって、案外知らないことが多いので、聞いてみたいなと思いました。2019/12/04
-
- 和書
- 甲虫 野外ハンドブック