内容説明
小さな岬の先端にある喫茶店。そこでは美味しいコーヒーとともに、お客さんの人生に寄り添う音楽を選曲してくれる。その店に引き寄せられるように集まる、心に傷を抱えた人人―彼らの人生は、その店との出逢いと女主人の言葉で、大きく変化し始める。疲れた心にやさしさが染み入り、温かな感動で満たされる。癒しの傑作感涙小説。
著者等紹介
森沢明夫[モリサワアキオ]
1969年千葉県生まれ。小説、エッセイ、ノンフィクション、絵本と幅広い分野で活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鉄之助
933
体を寄せ合って「大丈夫、大丈夫」とつぶやけば、気持ちが温かくなってくるよ。岬の喫茶店にやって来た、母を亡くしたばかりの女の子に、主人公の悦子がかけてやった言葉が心にしみた。コロナ禍、各地での猛烈な豪雨……など、ままならぬことが多い今こそ、読んでよかった。ひとには、それぞれやむにやまれぬ事情がある。喫茶店に入った泥棒にも、「泥棒さん」と呼びかける悦子。吉永小百合が、この本に惚れ込み映画化、自ら主役を買って出たのもうなずけた。2023/10/15
ウッディ
730
妻を亡くした夫と小さな娘、仕事に行き詰り強盗になろうとした男・それぞれの絶望を抱えた人達が訪れたのは、岬にぽつんと佇む喫茶店だった。悦子さんの選曲をYou tubeで聞きながらの読書で、自分も一度は訪れて、悦子さんの入れる美味しいコーヒーを飲みたいと思った。少し長い時間経過を経て、一つ一つの物語がつながる連作短編なのも面白く、ロマンチックなお話でした。こんな時代だからこそ、彼女の他人を許せる力が大切だと思う。どこかにこんなお店があるかもしれないと思えるだけで、明日からも頑張ろうと思える素敵な物語でした。2020/05/06
ちょこまーぶる
725
物凄く心温まる一冊でした。しかも、随所に心に残る素晴らしい言葉があり本当に読んでよかったし思える本でした。喫茶店には様々なお客さんが来ますが「岬カフェ」はお客さんの疲れてしまった心を癒してくれるコーヒーの一杯と店主である悦子さんのやさしさに満たされる場所であり、誰もが行ってみたくなるような喫茶店だと思いますね。また、そのお客さんの心情に合わせて店内の音楽を選ぶなんて素晴らしすぎます。もし、この喫茶店が実在するなら是非すぐにでも訪れてみたい喫茶店です。この本は、保存本として時々読むことになるだろう。2015/03/03
zero1
661
奇跡はすぐ近くにある!この店はどこかに存在している。問題は読者が見えないものを信じられるか否かだ。「きれいごと」と感じた人には読む価値のない作品だろう。森沢節が炸裂している一冊。夫を失った悦子の喫茶店にはいろんな客が来る。妻を病気で失った陶芸家に就活中の大学生。研ぎ師の男に建設会社の重役。音楽とコーヒーが客を変える。後半はロックな生き方をしている甥の浩司と悦子自身を描く。間違ってはいけない。悦子は人に何かを与えるだけではなく、与えてもらっている。再読でも余韻が深い。多くの人に読んでほしい。2019/01/06
しんごろ
647
どの物語にも癒し、元気をくれて、心が洗われた気持ちになりました。料理には魔法をかければ笑顔が生まれ、、音楽に癒やしを求めれば、力が貰えると信じたいですね。それには、悦子さんという最高のスパイスが必要かな。岬の店で時を忘れるぐらい、本を読みながらコーヒーを飲みたいなあ。あっ、もちろんバナナアイスも食べますよ。2019/03/20