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幻冬舎文庫
けがれなき酒のへど―西村賢太自選短篇集

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  • サイズ 文庫判/ページ数 310p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784344420816
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

十代半ばにして人生に躓き、二十代で本格的に路頭に迷い、三十代では風格さえ漂う底辺人間となった北町貫多。酒を飲めば嫌われる。女への情愛は狂気に化ける。だが、彼が望んでいたのは人並みのささやかな幸せだけだった―。十六歳で初の馘首を経験して以降三十年余りにわたる、刮目すべき全力の迷走。持て余す自意識の蠢動を描く、私小説六篇。

著者等紹介

西村賢太[ニシムラケンタ]
1967年東京都江戸川区生まれ。中卒。2007年『暗渠の宿』で野間文芸新人賞を、11年「苦役列車」で芥川賞を受賞。刊行準備中の『藤澤清造全集』を個人編輯(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

イズム(清瀬泉夢)

11
他の作品ですでに読了していたのですが、改めて読んで見ても貫太は最低な男ですね。でもまったく気持ちがわからないわけではないかな?ここまでひどく罵倒したり暴力的になったりというのはちょっと理解はできないが、ある意味本当に自分に正直に生きすぎてる感じがクセになります。ただ、自分の近くにいたらちょっと近づくのに二の足を踏む人かもしれません。まぁ・・・すべての根底に貧困があるので、それがなくなった今は多少はいいのかもしれませんがねww2014/05/01

澤水月

9
「落ちぶれて袖に涙のふりかかる」…文名を馳せられないまま老いてなお文壇にしがみつく実在人物に想いを寄せ、自らの文筆と人生と名声などグルグル考える描写。結句52歳で夭逝した著者思い読みつつ俯瞰力に感心。登場する「貫多」の編集者らも限りなく実名に近い。他収録作も悲しい少年期から路頭に迷う来し方(貧屢の沼)、藤澤清造愛(墓前生活)、女、文学、DV(焼却炉行き赤ん坊)と自選だけあり初心者に分かりやすい「西村賢太」の要素詰まる。ぬいぐるみと女との生活…。2023/01/21

mari

8
憎みきれないろくでなし貫多のシリーズ自選集です。全部読んだことがあるのですが、中でもろくでなしっぷりが際立つ短編ですね。交際希望の風俗嬢に100万円騙し取られる話や、たのすけぬいぐるみバラバラ引き裂き事件には稲垣潤一BGM(脳内再生)付き話。汗と魚臭ドロドロの生活なのに究極のデオドラント体質で他人の腋臭には憎しみの腋臭風呂話。さすが著者にこれぞ選ばれた短篇集(と思う)2013/11/24

散歩いぬ

8
これぞ西村賢太。「貧屢の沼」に男の穢さと純情を見よ!「墓前生活」・「けがれなき酒のへど」、共に祈れ!そして「焼却炉行き赤ん坊」に瞠目せよ!残念ながら苦役列車より後の小説は勢いが落ちたと思う。むしろ随筆の方が味わいがある。しかし「落ちぶれて袖に涙のふりかかる」の中の川端賞に挙がった作品名、実際は「一夜」であるが、それを捩ったものではなく「疒の歌」としていて、現在同名の初の長編が新潮にて掲載されている(後編は12月号)。故あってそのタイトルを付けたのだとすれば、出来映えに嫌が上でも期待が高まろうというもの。2013/10/08

とうゆ

7
新たに書き下ろしされた作品はないので、今までの著作を読んだ人には不要の一品。2014/02/19

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